「しぼる」の漢字表記には「絞る」や「搾る」があります。
これらは一見すると似ているのですが、別物の漢字です。
しかし、では具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
今回はそれら「絞る」と「搾る」の違いについて解説します。
ここでは特に両者の使い分けについて説明するので、ぜひ気になる方は最後までお読みいただけると幸いです。

目次
「絞る」と「搾る」の直接的な意味の違い
「絞る」と「搾る」の比喩表現での使い分け

「絞る」と「搾る」の直接的な意味の違い

「絞る」と「搾る」の意味の違いはなに?どのように使い分けられる?
(画像=『FUNDO』より 引用)

まずは「絞る」と「搾る」の意味について見てみましょう。

「絞る」の意味
「絞る」はねじって中の水分を出すという意味の言葉です。
特に糸を交差させて両方から引き絞る動作を言います。
また、簡単に出ないものを引き出すことも表します。
その他、範囲を狭めたり物量を抑えたり叱ったりすることも意味する言葉です。
このように非常に多岐にわたる意味を持つ言葉となっています。

「搾る」の意味
「搾る」は押し潰して中の水分を出すという意味の言葉です。
中でも手で狭く締め付ける動作を言います。
また、無理に取り立てることも表します。
これらは人物にも物事にも使用されるのが特徴です。

「絞る」と「搾る」の比喩表現での使い分け

「絞る」と「搾る」の意味の違いはなに?どのように使い分けられる?
(画像=『FUNDO』より 引用)

ここからは「絞る」「搾る」の使い分けについてまとめます。

「絞る」の比喩表現での用い方
「絞る」は「雑巾を絞る」「タオルを絞る」などのように使用します。
特に両端を持ってねじり水分を絞り出す際には「絞る」と表現するのが適切だと言えるでしょう。
これらは力を入れて中からぎゅっと締め上げるようなこと全般に使用できます。
そのため、多種多様な用途があると覚えておきたいです。
例えば、簡単に出てこないものを強引に出す様子であれば「知恵を絞る」「声を絞る」のような表現もできます。
また、範囲を小さくする様子に対しては「数を絞る」「的を絞る」のような表現もできるでしょう。
さらに、量を少なくする様子に対しては「音を絞る」「光を絞る」のような表現もできるのではないでしょうか。
それだけでなく、厳しくすることや責めることの様子に対しては「練習で絞られる」「油を絞られる」のような表現もされます。
まさに使い方の多い言葉と言えるでしょう。

「搾る」の比喩表現での用い方
「搾る」は「果物を搾る」「牛乳を搾る」などのように使用します。
中でも圧力をかけて液汁を搾り出す際には「搾る」と表現することができるわけです。
他にも威圧して取り上げるところから「お金を搾り取る」とも使用できます。
このように無理に何かを取り立てるようなことにも使用されるので、こちらもカバー範囲の広い言葉と言えます。