米国の政策金利を決定するFOMC(米連邦公開市場委員会)は6月14、15日に開催されたが、政策金利は据え置き(5.0%〜5.25%)になった。昨年3月から過去1年余りにわたり続けてきた「利上げ」がいったん停止されたことになる。簡単にまとめると、利上げ=インフレ抑制、利下げ=景気後退回避ということになる。専門的には景気後退時には必ず見られる逆イールド(長期金利と短期金利の逆転現象)が、米国国債とドイツ国債で見られているのが米国景気が後退局面に入っている証左だと言われており、今回のFOMCではいったん利下げをやめて、「状況を精査できる」(FOMC後のFRB=米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長の発言)という。ただしFOMC参加者18人のうち12人が年末までに政策金利は5.5%〜5.75%まで上昇すると予想しているという。
FOMCは年内には、7月26日、27日、9月20日、21日、11月1、2日、12月13日、14日に開催される。7月26日、27日の会合後に政策金利の上昇があるのかについて、パウエル議長は明言を避けたが、全体のニュアンスとしては利上げの可能性はかなり高そうだ。
このFOMC後のパウエル議長の発言を受けて、ニューヨークの株式市場は今回の「利上げ見送り」という事実よりも、「今後年内に利上げが確実に行われる」という感触の方を重視して、NYダウ平均株価は一時400ドルを超える値下がりになった。結局、終値では前日比237ドル79セントの値下がりになっている。ただし翌日6月15日ではNYダウ平均は大量の買いが入って、終値は前日比428ドル73セント高の大幅な値上がりになっている。この終値3万4408ドル6セントは、今年の年初来高値である。売り・買いの交錯は「利上げ」をめぐる混沌とした状況の表れとも言えるだろう。
また今後の利上げによって、日米金利差が拡大することからドル買い円売りが進んで、ドル高円安が進み円相場は一時、1ドル=140円台前半まで進んだ。
来月7月26日、27日のFOMC会合にまた大きな関心が向けられることになった。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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