世界中の人々が兄弟であることを「四海兄弟(しかいけいてい)」と言います。
特にみんなが真心と礼儀を尽くして交流すれば兄弟のように仲良くなれることを言った四字熟語となります。
しかし、これらの言葉はどこから来たのでしょうか。
今回はそれら「四海兄弟」について解説します。
特にここではその意味はもちろん成り立ち、類義語などについても説明します。
「四海兄弟」とは

まずは「四海兄弟」の意味について見ていきましょう。
「四海兄弟」の意味
「四海兄弟」は世界中の人々が兄弟であることの例えです。
これらは全員が真心と礼儀を持って交流することで、兄弟のように仲良くなれることを言った四字熟語となります。
中でも「四海兄弟」は「人類がそうであるべき」ということを表現した四字熟語と言えるでしょう。
ちなみに「四海」は天下もしくは世界を意味しています。
また「兄弟」は親しい間柄を意味する言葉となっています。
つまり、これらは世界中の人々が相手を尊重して接すれば仲良くなれることを言った言葉なのです。
実際に他者を蔑ろにして自分勝手に振る舞っていれば親交は深まるどころか争いに発展してしまいます。
好き勝手やればお互いにいがみ合うようになってしまうかもしれません。
「四海兄弟」はそうあってはならないことを説いた教えや戒めでもあるのです。
読みは「しかいきょうだい」でもいいけれど本来は・・・
「四海兄弟」は「しかいきょうだい」と読みたくなります。
その一方、本来の読みは「しかいけいてい」と読まれます。
ただし、これらの読みは正解も不正解もありません。
そのため、実際にはどちらを使用しても問題ないでしょう。
そこは好みの方を使用してみてください。
「四海兄弟」の由来

では「四海兄弟」はどこから来た言葉なのでしょうか。
ここからはそれら「四海兄弟」の成り立ちについてまとめます。
孤独を訴えた男性の逸話から
「四海兄弟」は古代中国の「論語-顔淵」にある一節から来ています。
その一節というのが「四海の内皆兄弟なり」というものです。
意味はそのまま「世界中みんなが兄弟である」となります。
これは孤独を訴えた男性の逸話から来ているのだとか。
その昔、中国に司馬牛という人物がいました。
彼はある日、子夏という人物に「みんな兄弟がいるのに私だけいない」と相談したとか。
すると子夏は「死生や富貴は天命であり兄弟がいないのもまた天命である」と慰めたそうです。
続けて「自分の道を志し、慎みや親しみを持って社会の調和を保てば、四海のあらゆる場所に兄弟は見出せるではないか」とも言ったのだとか。
それだけでなく彼は「なぜ兄弟がいないことで悩む必要があるのか」と続けたとされています。
これらの話から来たのが「四海兄弟」です。
つまり、もともとは志を持って突き進めば孤独を感じる必要などないということを説いた言葉だったのです。