日系ブラジル人二世であり、世界的に活躍するアーティスト・大岩オスカール氏によるワークショップ「多い自分からの手紙」が、7月17日(月・祝)に国際協力機構 横浜センター(JICA横浜)にて開催される。
コミュニケーションツールがあふれた現代だからこそ、同ワークショップを通し、あえて“手紙”の大切さを振り返ってみたい。
JICA横浜でワークショップ「多い自分からの手紙」開催
「多い自分からの手紙」は、日本と外国、今と昔、スマホと手紙など、場所・時間・通信手段などをテーマとしたワークショップだ。
横浜市中区にあるJICA横浜には、日本人の移住をテーマとした大岩オスカール氏のアートワーク・シリーズ「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」が各所に展示されている。
今回の企画では、JICA横浜の各所を巡りながら、自分自身への手紙やドローイングの作成、昼食、海外移住資料館の見学などを実施する。
世界的に高い評価を得るアーティスト・大岩オスカール氏
今回のワークショップを実施する大岩オスカール氏とは、どのような人物なのか。
大岩氏は1965年にブラジル・サンパウロで日本人の両親のもとに生まれた、いわゆる“日系ブラジル人”だ。
彼は都市での生活体験や社会問題をテーマに、風刺やユーモアを交えた、俯瞰的でダイナミックな絵画作品を制作。過去には、「大岩オスカール」(ブラジル国立美術館、2011)、「光をめざす旅」(金沢21世紀美術館、2019)などの大規模個展も開催してきた。
今なお東京とニューヨークを行き来しながら制作活動を行い、世界各国で高い評価を得ているアーティストの一人だ。
ワークショップを通し、過去の経験や感動を思い返す
大岩氏は、現在もJICA横浜の各所にて展示中の、日本人の移住をテーマとしたアートワーク・シリーズ「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」を2021年に制作。JICA横浜とも縁がある。
同氏は、今回のワークショップについて次のようにコメントしている。
「このワークショップは、現代のスマホ中心の生活とは真逆の、昔は手紙がどれほど大事だったかを経験してもらうワークショップです。
子どもの頃、日本に旅行できる日が来るなんて、まったく想像できませんでした。何しろ、私が生まれ育ったブラジルから見ると、日本は世界の向こう側にある国でしたから。その当時、ファックスもインターネットもありませんでした。
電話はありましたが、通話料が非常に高かったので、人々はまだ手紙でコミュニケーションをとっていました。手紙は大切なもので、保存するために貴重なものでした。
1970年代の子どもの頃、日本と連絡を取るのは時間がかかりましたが、それ以前の世代にとってはさらに困難だったのだろうと思います。
現代の世界ではコミュニケーションが瞬時に世界中に広がっていますが、少し時間を止めて、過去の経験を少しだけ味わってみるのはどうでしょうか?」
大岩オスカール氏がJICA横浜を訪れ、直接ワークショップを実施する貴重な機会。ワークショップを通し、さまざまな“気づき”を得てみては。
多い自分からの手紙
日時:7月17日(月・祝)11時~14時30分(10時45分より受付)
会場:JICA横浜 1階会議室
所在地:神奈川県横浜市中区新港2-3-1
参加費:1,000円(昼食代・材料費含む)
定員:25名程度
※申し込み期限は7月14日(金)まで/定員に達し次第受付終了
(IKKI)