また、ロシアとウクライナの抗争の地であるクリミア半島には、18世紀までキプチャク汗国の後裔であるクリミア汗国があってロシアの黒海進出を阻んでいた。
中央アジアのウズベキスタンやカザフスタンなどは、チャガタイ汗国が分裂してできた小国家がもとになっている。そのチャガタイ汗国の武将の子孫がインドに移って建国したのがムガール帝国だが、それはあとで紹介したい。
さらに、 大元帝国は大都(北京)から撤退した後も、中央アジアまで影響下に多くモンゴル帝国(北元)としては生き延びる。1636年になって、満州族のヌルハチの後継者であるホンタイジは、北元が持ち続けていた中国皇帝としての玉爾を手に入れ、満漢蒙三民族共通の皇帝であることを宣言した。これが清の成立だ。
そして、その清の継承国家が中華民国、ついで中華人民共和国なのだから、いまの中国はチンギスハンのつくった国の継承者ともいえる。
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