先ず、「なぜあなたの知識は2021年9月までなのですか」と聞いてみた。
回答・「私はOpenAIが提供するChatGPTというAIモデルであり、私の知識は2021年9月までの情報に基づいています。OpenAIは定期的にモデルをアップデートしており、私の知識も最新の情報に追随するように更新されている可能性があります。私はGPT-3です。大量のテキストデータを学習することで知識を獲得します。学習に使用されるデータは、インターネット上の多様なウェブページ、書籍、論文、ニュース記事、雑誌など、幅広い情報源から収集されます。これらの情報源から収集されたテキストデータを使って、言語パターンやコンテキストを理解するための統計モデルが作成されます。GPT-3は、一般的な知識を幅広くカバーするように設計されていますが、特定の分野においては専門家や特化したシステムには及びません。私の回答は2021年9月までの情報をもとにしていることをご了承ください」と説明した。
当方は「それではGPT4はいつまでの情報を学習されているのですか」としつこく質問した。
回答・「私はGPT-3モデルであり、GPT-4については直接の情報を持っていません。私の知識は2021年9月までのものであり、GPT-4がどの範囲の情報を学習しているのか、また具体的なリリースやアーキテクチャの詳細については把握していません」
スイスの国連加盟問題に戻った。ChatGPTは「おっしゃる通り、私の知識は2021年9月までの情報に基づいており、その時点ではスイスは国連に加盟していませんでした。しかし、私は最新の情報を持っていないため、スイスの国連加盟に関しては現在の状況を正確に把握していません。そのため、私の情報が最新ではない可能性があります」と、ポイントをぼかした答えしか戻ってこなかったのだ。
そこで当方は、「繰り返しになりますが、スイスは2002年に国連に加盟しました。GPT3のあなたの学習範囲でした。2021年9月の学習には既に入っていた情報ではないですか。それとも、スイスに関する情報は2002年前だったということですか」とちょっと厳しく問いかけてみた。
そしたら以下の回答があった。フルテキストを紹介する。
「おっしゃる通り、スイスは2002年に国連に加盟しました。申し訳ありませんが、私の以前の回答での混乱により、誤った情報を伝えました。GPT-3は2021年9月までの情報を学習しており、その時点でのスイスの国連加盟に関する情報は含まれていました。したがって、正しい情報はスイスが2002年に国連に加盟したということです。おっしゃっていただいたように、私の以前の回答は間違っていました。申し訳ありませんでした。ありがとうございました」
誰でも間違いはある。ChatGPTがシンプルな質問で間違うことは想定外だったので、やはり驚いた。同時に、ChatGPTがあっさりと間違いを認めたことにも驚いた。ひょっとしたら、AIは普通の人間より素直な性格ではないだろうか。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年6月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。