「弁護士と協力し無罪を主張し続ける」

――ルノーは最近、日産への出資比率を下げ、EV合弁会社を設立して経営資源を投下するといわれています。今後、日産はどうなってしまうと思いますか。
ケリー 自動車業界では、競争力を維持するために必要な投資は非常に厳しく、特にEVや自律走行へのシフトに必要な多額の投資と、内燃機関を搭載した自動車への投資をサポートし続ける必要があるため、規模の経済を実現できる親密なパートナーを持つことが重要です。
私は、日産がルノーに43%出資されている状態から、持株会社の元でルノーとフィフティ・フィフティのパートナーになれば、日産の将来はより明るいものになると考えました。この体制であれば、両社はそれぞれのブランドの自律性を維持しながら、両社とアライアンスに利益をもたらすシナジーの開発に強いインセンティブを与えることができます。このような構造であれば、日産は(両社が生み出すシナジー効果により)より大きな規模の経済と収益性を達成することができたはずです。
さらにフィアット・クライスラーを加えることで、スケールメリットを高め、グループ(日産、ルノー、フィアット・クライスラー)の競争力と収益性を向上させることができたでしょう。
また、日産はCEOをはじめとするトップマネジメントの継承プランが充実していたため、将来、日産とアライアンスを率いることができる優秀な幹部が多く、アライアンスにおいて対等な存在となることができたと思っています。
――今後、日本や海外でどのように裁判を戦っていくのでしょうか。
ケリー 私には非常に優秀な弁護士がついていますし、証拠から見ても、今回の件は刑事事件ではありません。今後も弁護士と協力して、日本での裁判で無罪を主張し続けて行きます。
日産がゴーン氏とケリー氏と争っている裁判では、国内で報じられていること以外にも、米国での株主訴訟における不透明な和解などが大きな要素となっている。同社の一連の不可解な動きは、裁判のなかで明らかにされていくのだろうか。
(構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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