保護者間の集まりの合理化
また、保護者が集まって話し合いをする場でも、DX化の導入可能性を感じることも少なくない。
この場合、近くの公民館に集まってあれこれ話をしたり、一人ずつ事情を伺ったりするケースが多いだろう。多くの場合は全員同じ時間、同じ場所に集まるという途方もないエネルギーをかける割に、意見の出し合いや情報共有がほとんどではないだろうか。
これをオンラインに移すには、小難しいシステムなど不要であり、グループLineで共有すれば事足りる。「Silence As Acceptance(沈黙は同意)」の原則を用いて、異論や違う角度からの意見がある人だけ投稿すればいい。また、その内容を学校にシェアをするのも、やはりオフラインである。
「これにはセキュリティの懸念がある」という意見も出るかもしれないが、このような学校や親の話し合いの記録に市場の付加価値など皆無に等しい。国家の重鎮たちによる会議の議事録とは質的にまったく異なる。心配するような大きな問題が起きる可能性は極めて低い。その一方で、導入を見送れば確実に無駄なエネルギーと時間を使い続けることになる。可及的速やかにDX化をすることで、教育関係者や保護者ともに省力化を測るべきであろう。
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DX化の推進で一番必要なのは、権限を持つものがITに明るいことである。地方の小さな企業の中にも、極めてデジタルに強い会社があって驚かされることがある。システムの多くはクラウド、テキストコミュニケーション、AIを用いて合理的かつスピーディーにビジネスを進める取引先もある。これらの共通点は「経営者などのトップ層がITに強い」ということだ。
園や学校でデジタル化が進まない理由は、ITに強い人材が少ないからだ。日本人のITリテラシーやシステム理解力の向上が必要な時が来ている。
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