個人蔵。マネに戻された後、どういう運命を辿ったのかしらね。

マネ単体の展覧会としても、大充実!(ドガ、ダンス系がゼロ。上階で見てね、ということかしら。でも、マネのオランピアやバルコンは下まで降りてきてる。)

右は、ゴーガンによる模写。

猫さん、そっくり。(右は、ゴーガンによる模写)

見られて嬉しかったのは、”ナナ”。多分、初めて絵の前に立ったと思う。よいお顔ね~。

よいお顔といえば、モリゾを描いた作品群も素晴らしい。特に、慕っていたマネからプレゼントされたスミレを持つ黒いドレスのお顔、嬉しさが滲み出てる。”黒い服を、喪ではなくパリのシックに昇華している”みたいな説明がついてた。なるほど、そうかも。でも、この嬉しそうな表情だから、悲しみと無縁に感じられるのだと思うな。

ポルトガルからやってきた”シャボン玉”も素敵。モデルは、シュザンヌの子供のレオン。バルコンにも出てるし、読書にも登場してる。黒の使い方は、マネとスーラージュに限る。

恒例、”どれかひとつもらえるなら”は、マネの”ロシュフォールの逃走”。遠くからすごいオーラ放ってきて、引き寄せられるように絵の前に立った。水面の色のなんときれいなこと。オール横の水飛沫の煌めきがなんと素晴らしいこと。構図、クリムトを彷彿させるね。

この作品を見るまでは、”ブーローニュの海辺で”がいいな、と思ってたけど、ロシュフォール見た瞬間に心を移す。

NYCのメトとのコラボ企画展。オルセーの後は大西洋を渡る。渡っちゃう前に、もう一度観にこよう。素晴らしい。というか、マネがすごい。

ゴヤの影響受けた作品がすごく多い、マネ。銃殺される、シシィの義理弟(涙)

オランピアを筆頭に、マネが描いた何匹かの猫を見ていたら、ここに住んでいるボナールの白猫を見たくなり、ボナールコーナーへ。

あれれ、いない。聞けば、ぐ~んと伸びをする大好きな白猫ちゃんは、はるばるオーストラリアまで出張中だそう。仕方ないので、他のボナール猫たちを眺めて、またね、オルセー美術館。

マネ猫。

ボナール猫。

編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年5月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。