なぜ『ベストマザー賞』を受賞した女性は、不倫をはじめとする騒動を起こすことが多いのか

 精神科医の片田珠美氏はいう。

「女優の広末涼子さんが、ミシュラン1つ星のフレンチレストラン『sio』のオーナーシェフである鳥羽周作氏と同じホテルに宿泊するなど、不倫関係にあると6月7日配信の『文春オンライン』(文藝春秋)で報じられました。2人とも既婚者であり、事実とすればW不倫ということになります。

 広末さんは3児の母であり、昨年5月には『ベストマザー賞』を受賞しています。その前年に同じく『ベストマザー賞』を受賞した元AKB48の篠田麻里子さんも不倫疑惑が報じられ、今年3月に離婚を発表しました。

 篠田さんと同時に『ベストマザー賞』を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗氏も、夫の清志氏が太陽光発電事業をめぐる資金トラブルから、東京地検特捜部に4億2000万円に上る業務上横領の疑いで逮捕・起訴されたにもかかわらず、『知らない』と主張し続けてきましたが、夫の会社から『385万円の太陽光コンサル料』を受け取っていた“証拠文書”が『FRIDAY』(講談社)に掲載されました。

『ベストマザー賞』を受賞した女性は、その後不倫をはじめとする騒動が報じられることが多いような印象を受けます。一体なぜでしょうか。

 まず、『ベストマザー賞』を受賞するのは、活躍していて世間の注目を浴びており、容姿にも恵まれた有名人です。今回W不倫が報じられた広末さんにしても、10代の頃から人気アイドルとして活躍しており、妊娠・出産を経てもかつてと変わらない圧倒的な透明感を持つ“ママ女優”として厚い支持を集めています。そういう女性は魅力的で、男性との出会いも多いはずで、モテるでしょう。それが“道ならぬ恋“につながることもあるのではないでしょうか。

 また、『ベストマザー賞』を受賞したのは、母としてそれなりに頑張っていたからでしょうが、30代後半から40代になると、『もう女として終わりではないか』という不安にさいなまれるかもしれません。母としてだけでなく、女としてもう一度輝きたい、女であることを再確認したいという欲望が芽生えることも十分考えられます。

 このような欲望を抱いても、それを丸出しにすることは身の破滅につながりかねません。篠田さんは“ママタレ”として、広末さんは“ママ女優”として活躍していたのですから、不倫願望を丸出しにして行動に移せば、自身が築いてきた地位も人気も失うことになるでしょう。

 そういうときに働くのが、フロイトが『反動形成』と呼んだ防衛機制です。これは、自分にとって許されない衝動や空想などが沸き起こってきた場合、それとは真逆の態度を取ることを指します。

 たとえば、慇懃無礼と評される態度です。表面的には非常に丁寧で従順に振る舞う人の胸中に、相手に対する強い敵意や攻撃衝動が潜んでいることがあります。これは、自分が薄々自覚している敵意や攻撃衝動を相手に気づかれたくないからこそ、正反対の態度を示すわけで、『反動形成』の典型といえます。それでも相手に不快感を与えることもあるのは、防衛しきれなかった敵意や攻撃衝動がにじみ出てしまうからでしょう。

『反動形成』によって過度の強がりを示すこともあります。たとえば、ドバイから成田空港に帰国したガーシー容疑者が、空港内で捜査員に囲まれながら笑みを浮かべて歩く姿がニュース映像で流され、『なぜ笑っているのだろう』と不思議に思った方も多いはずです。これは『反動形成』による強がりであり、内心では不安でたまらなかったにもかかわらず、それに気づかれたくなかったからこそ、笑ってみせたのだと思います。

 同様の理由から、自分が秘めている不倫願望に気づかれたくなくて、逆に “いい妻”“いい母”に見えるように精一杯頑張ることもあります。夫が、浮気した後ほどお土産を買って帰ったり、妻に優しくしたりするのと同じ心理ですね。ですから、今後も『ベストマザー賞』を受賞した女性の不倫をはじめとする不祥事が報じられる機会は多いのではないでしょうか」

(文=Business Journal編集部、協力=片田珠美/精神科医)

提供元・Business Journal

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