以上は「内心の自由」に余りに無頓着な岸田の更迭劇だが、今般の翔太郎氏の更迭は、危機管理の欠如という側面はあるものの、これらと比べ余りにレベルが低い。その上、岸田が件の忘年会を翔太郎氏が開いたものと糊塗しているように思われる節がある。
5月25日の「日経」は「翔太郎氏は首相公邸で親族と忘年会を開き、賓客を招く場所などで写真撮影したと報じられた」とし、岸田が「国民の皆さんの不信を買うようなことなら誠に遺憾だ」と述べたこと、松野官房長官が「年末の親族の来訪時のものであり、首相も私的な居住スペースにおける食事の場に一部顔を出し、挨拶した」ことなどを報じている。
これを読むと、翔太郎氏が開いた忘年会に岸田が「一部顔を出した」だけと思いがちだ。が、夫人と共に部屋着に裸足という出で立ちの写真も流出した。岸田の指示で翔太郎氏が調整した恒例の忘年会ではなかったのか。隠れ蓑に使った息子をカニの足のように自切した疑いが濃い。