最近、LGBT法案を成立させようとする動きが加速しているが、同法成立推進派の自民党の国会議員である古屋圭司氏はそのHPの中(LGBT理解増進法案について・5月16日)で「今週末にG77サミットが広島で開催される。G77の中でLGBTに特化した法案を持つ国はない中、日本はややもすると人権に後ろ向きと謂れのない風評被害(批判)に対して、議長国として主体的に岸田首相は我が国政府・議会は理解増進法案を取り纏めた。日本国内は歴史的に性差に対し鷹揚な文化を形成してきた。しかし、世界の流れを捉え、日本は先駆けて今般このような法案を取り纏めた。文句あるか!と堂々と主張してほしい」と記している。
この一文からは、日本に対し世界(おそらく欧米)から「人権に後ろ向きと謂れのない風評被害(批判)」があることが分かる。その風評被害に対し、日本政府が断固抗議し、懸命に払拭に努めるのではなく、LGBT法案の成立をもって応えようとしているように、私にはこの文章は読み取れてしまう。
明治時代以来、日本人には欧米コンプレックスが濃厚にあるとはよく指摘されていることだが「欧米は優れていて、日本(またはアジア)は劣っている、遅れている。欧米に倣わなければ」という価値観を、政治家も官僚も心のどこかに抱いているのではないか。エマニュエル大使の今回の発言に日本政府が抗議しないというのは、そういう理由があるか、もしくは同盟国ということで過剰に気を遣っているかのどちらかとしか私には考えられない。