小野裕二(左)小柏剛(右)写真:Getty Images

2023明治安田生命J1リーグ第17節の計8試合が、6月10、11日に行われた。北海道コンサドーレ札幌は10日、アウェイの駅前不動産スタジアムでサガン鳥栖と対戦。最終スコア1-1で引き分けた。

前節の柏レイソル戦では5-4と打ち合いを制して、自慢の攻撃力を発揮した札幌。今節の対戦相手鳥栖は、リーグ戦5試合負け無しと好調をキープ。試合の振り返りと、札幌が勝ちきれなかった要因を解析していく。


北海道コンサドーレ札幌 DF中村桐耶 写真:Getty Images

札幌VS鳥栖:試合ハイライト

最初のチャンスは札幌に訪れる。前半3分のフリーキック。MF浅野雄也の左足から真ん中で待っていたDF岡村大八のヘディングシュートに繋がるも、ボールはゴール右下に外れた。

鳥栖のチャンスは前半32分。右サイドからMF森谷賢太郎のパスにFW長沼洋一が抜け出しシュート。そのこぼれ球をFW岩崎悠人が押しこみネットを揺らすも、長沼のプレーがオフサイドの判定となり、ノーゴールとなった。

なかなかゴールを奪えない両チーム。前半40分、札幌はボックス内でボールを受けた浅野が囲まれながらもシュートを放つもクロスバーに弾かれる。

前半43分、札幌に先制点。浅野の左サイドからのフリーキックをMF宮澤裕樹が頭で折り返すと、中で待っていたDF中村桐耶が頭で押し込んだ。中村はリーグ戦初ゴールを記録した。

札幌リードで折り返した後半8分、鳥栖が同点に追いつく。ボールをカットしたDF菊地泰智がそのまま運び、MF堀米勇輝とのワンツーから菊地がクロスを上げる。中で鳥栖の選手が待っているも、足を出した札幌の中村にあたり、オウンゴールとなった。

後半16分にも鳥栖にチャンスが訪れ、左サイドの堀米のクロスからFW小野裕二がフリーで頭で合わせるも、捉えることができず。その後は両者ゴールに迫るも決め手を欠き、1-1のスコアレスドローに終わった。

では、札幌の目線から勝ちきれなかった3つの要因を見ていこう。

サガン鳥栖 MF河原創 写真:Getty Images

要因1:ワイドで良いポジションを取れなかった

札幌が良い攻撃をできている時は、ワイドにポジションを取った選手に対し良い形でボールが入る。しかし今節の鳥栖戦では、鳥栖ディフェンス陣とMF河原創の活躍によって、ワイドで良いポジションを取れなかった。

鳥栖ディフェンス陣に関しては、前から守備をするのではなく、ある程度ディフェンスラインを下げて札幌の選手が走りこむスペースをあらかじめ消しておく方法を採用していた。こうなると、札幌の選手たちは走りたくても走るコースがなくなってしまい、ワイドのポジションを獲得できない。

また、今節の河原の活躍には目を見張るものがあった。走行距離では同試合出場選手唯一の12㎞越えを記録。札幌のパス配球係のパスコースを消す作業をこなした。札幌はこの選手のディフェンスにかなり苦しめられた。


北海道コンサドーレ札幌 MF小柏剛 写真:Getty Images