再生回数が伸び悩む 国家公務員 Career Guide Channel より

もう一つの見方としては「国家を支えるキャリア組は日本の最高学府から選りすぐった人材を確保する」という学歴第一主義からよりグローバルな観点に立ち、一定のミックスで刺激ある組織体にする、という理由から合格者が別に最高学府ではなくてもよい、という採用側の変化もあるのでしょう。

私は大昔、キャリア試験を受けて落ちたのですが、仮にもう一度キャリア組に挑戦できるとしてもやらないだろう、と思います。なぜ、キャリアを目指したか、あの時は国家を支えるという意義をとても重く感じていたからです。大げさな言い方をすれば「自分流の国家ビジョンを坂本龍馬のように描きたかった」ということでしょうか?その後、ある方から城山三郎の「官僚たちの夏」は官僚の熱さそのものだ、と指摘され、拝読した時、激務の中に見える国家論に感動したものでした。

しかし、キャリアの仕組みとしては最高峰となる事務次官になってもその上に与党から大臣、副大臣、政務官といった政治家が上につきます。つまり、逆立ちしても大臣にはなれない、これがキャリアの運命です。会社に入っても制度上、絶対に社長になれないのと同じで、そんな組織に能ある精鋭が進みたいという理由もよくわからないし、そういう人材で官僚組織が維持できた過去とはあまりにも価値観が異なってきたということでしょう。

大学生の就職活動で採用面接などの選考が6月1日に表向き解禁となりました。テレビニュースでみた不思議とは内定を複数獲得している学生が多いことです。カラダ一つなのに内定が複数とは学生からすれば「ゆっくり考慮して選択できる権利確保」だと思いますが、発想としてはおかしいのです。そもそもその会社で働きたくて面接を受けたのに「本命ではない」「ちょっと運試し」「友達とエントリーシート出したら採用面接まで進んだ」…といった「おめぇ、会社舐めてんのかぁ!」と言われてもしょうがないようなスタンスの学生が溢れています。

企業側も「フラれる確率」をそれぞれ計算しており、人事部は予定採用者数を下回ると「人事ブゥー、何やってんだ!」とお目玉頂戴ですので必死の学生確保で採用人数の3割、5割増しの内定を出すわけです。個人的にはこのような茶番はもうやめればいいのに、と思っています。

どうせ採用しても3年で3割抜けるのです。私の髪の毛ですらそんなに抜けません。それならもう少し使いものになる人材をじっくり選考した方がよいはずです。最近は通年採用に中途採用も増えてきています。そもそも会社の上層部にいる幹部は必ずしも生え抜きとは限らない時代です。つまり、官僚の話と同じで「トップにはなりにくい」わけです。いやトップどころか本部長や部長クラスですら危ういところが増えてきています。