米ミズーリ州にて、4年前に埋葬された修道女の遺体を掘り起こしたところ、なんと全く腐敗していなかったことが判明するという驚くべき報告があった。
この事件は5月半ばにガワーという小さな町にあるマリアベネディクト姉妹会が、創立者の修道女ウィルヘルミナ・ランカスターの遺体を修道院のチャペルに移す作業を行ったときに起こったといわれている。当初は1995年に修道会を設立した彼女を祝うためのものだったが、棺を掘り起こして蓋を開けたところ、彼女の遺体が骨になるどころか不可解なほど腐敗していないことが明らかになって騒然としたという。
修道院長のマザー・セシリアは「完全な無傷の足が見えた気がして、皆を呼び止めました」と振り返る。そして実際に棺を開けてみたところ、本当にまだ生きていたかのようなランカスターの遺体が棺の中に眠っていたため、シスターたちは歓声を上げたという。また、不思議な事に棺の中に収められていた他の物品の保存状態もかなり良好だったため、シスター達はさらに驚いたとのこと。
それというのも、ランカスターの棺には中央に大きな亀裂が出来ていた。そこから棺の中に結露が発生し、棺の裏地などは腐敗してぼろぼろになっていたという。しかし、彼女の遺体やシスター服はまったく劣化しておらず、ベールも綺麗なままだった。彼女のロザリオにはサビ一つなく、花束はドライフラワーのように乾燥していたという。
棺やその内側は腐敗や劣化していたのに、彼女の遺体や持ち物が無事だったのは何故なのか。今の所原理は解っていないが、教会は現代の奇跡だと考えているようだ。
その後、シスター達は棺の中にできたカビの層を洗い流し、遺体の手や体に蝋を塗って腐敗が進行しないように処置を施した。ランカスターの遺体は5月29日まで修道院の礼拝堂に展示された後、特別な儀式が行われ、ガラスの棺に収められるそうだ。
仏教では瞑想状態のまま絶命し、ミイラ化した仏教僧は「即身仏」として崇められる。日本においても、穀物を絶ち木の実を食べる「木食修行」により脂肪を落とし、経典を読んだまま土中で絶命、その後保存作業を経て、意図的に即身仏を作ることも行われてきたが、腐敗してしまったケースも多かったという。
果たして、ランカスターの遺体が腐敗を免れたのは環境的要因か、それとも宗教的な奇跡なのか。
参考:「New York Post」「Coast to Coast AM」ほか
関連キーワード:修道女, ミイラ, 即身仏 文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
提供元・TOCANA
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