井上陽水氏が作詞を担当したPUFFYの名曲『アジアの純真』には、「白のパンダをどれでも全部並べて」という個性的な歌詞が登場します。
当時、この表現に対して「白のパンダってシロクマじゃないの」というツッコミが殺到していましたが、実際に白のパンダはシロクマみたいな見た目になるのでしょうか?
中国・四川省にある臥竜(がりょう)自然保護区は5月27日、同区に設置されたフィールドカメラで「全身真っ白なジャイアントパンダが撮影された」と報告しました。
このパンダは先天的にメラニン色素が作れない「アルビノ」と見られ、現生するアルビノパンダは世界でこの1頭のみと考えられています。
パンダの特徴的な白黒模様がすべて白になっており、これはまさに白のパンダと呼ぶべき生き物です。
「白のパンダ」は2019年に一度目撃されていた
実はこの「白のパンダ」は今回が初発見ではなく、2019年に一度、保護区内のフィールドカメラで目撃されたことがありました。
その時はまだ1〜2才の幼体であり、研究者らも映像としては公開せず、健康状態や遺伝的特徴を調べるために今日まで追跡調査を続けていたそうです。
しかし「白のパンダ」もそう易々とカメラに映り込むわけではなく、生態調査は困難をきわめていました。

ところが今年2月になって、保護区の山中に設置された動体感知式のカメラがついにその姿を捉えたのです。
「白のパンダ」は2019年から大きく成長し、今ではおそらく5〜6才に達していると見られます。
さらに、続く4月にも複数のカメラに映り込み、山中を元気に闊歩する様子が確認されました。
北京大学のリー・シェン(Li Sheng)氏は「この個体は公式な記録が始まって以来、初めて記録された野生の真っ白なジャイアントパンダだ」と述べています。
実際の映像がこちらです。
Don’t miss this ultra-rare chance! An all-white panda was spotted in the Wolong National Nature Reserve in southwest China’s Sichuan Province. Watch this lovable, one-of-a-kind creature approach a female panda and her cub, who are believed to be its mother and sibling pic.twitter.com /vmJEluCtVM
— China Xinhua News (@XHNews) May 30, 2023
同保護区には約150頭のジャイアントパンダが生息していますが、幸いなことに「白のパンダ」は仲間はずれにされることなく、コロニーにすっかり馴染んでいました。
健康に問題がある様子もなく、他のパンダと活発にじゃれ合ったり、元気に木登りをしています。
また2月の映像では、母親と見られるパンダと交流する姿も見られました。
結局、映像としては合計で10数回におよぶ撮影に成功しています。