五月晴れも終わり、間もなくうっとうしい梅雨に差しかかる。雨だと舟釣りもおっくうになりがちだ。ならば舟と桟橋の選択肢がある釣り場はどうだろうか。静岡県伊豆市にある早霧湖なら、その日の天候や気分で選べるのがうれしい。言わずと知れた魚影特濃釣り場なので数釣りはもちろん、釣り方次第では良型の爆釣もあり得る。とくに桟橋なら手軽なので釣技を磨く道場にも最適だ。
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(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
早霧湖の概況
5月22日現在、満水から約70cm減水。農繁期なので今後も若干だが水位は下がると思われるが、釣況には影響しないだろう。ほどよい減水と言えるので、かえって底釣りファンには打ってつけと思われる。また数年前までエン堤向きの一部にあった藻だが、直近ではまったくないので底釣りもやりやすい。
釣況は至って好調だ。宙でも底でも好みの釣り方で楽しめる。ただし混雑時は人災が発生し、セットでないと釣りきれないこともある。日曜釣行なら食わせは持っていくべきだろう。
ポイント
早霧湖のポイントを紹介しよう。
エン堤向き
ウキが見やすく風の影響も受けづらい。本湖向きよりも浅く、底の地形はほとんどが逆カケアガリ。底釣りなら水深いっぱいの竿を使うのがセオリーだが、意外に面白いのが長竿での沖め狙い。エサ慣れした魚に四苦八苦することなく、わりと素直な魚を狙えるかもしれない。
本湖向き
エン堤向きよりも水深があり型もそろいやすい。長竿チョウチンをやりたいなら、迷うことなく本湖向きに入ろう。ただし風の影響を受けやすく、朝は逆光のためウキが見にくい。
なお桟橋上には隙間があり、ここから私物を落とすことがある。レジャーシートでも何でもいいので、すき間をふさぐ対策が必須だ。また桟橋の板がもろい箇所があるので、歩行の際は強度を確認しつつ静かに慎重に歩きたい。
なお同湖は舟釣りもできる。ロープ着けなので着舟も容易だし、桟橋のような人災も皆無。晴天微風の釣り日和なら、舟から狙ってみるのも面白いかもしれない。
釣り方とエサ
早霧湖の釣り方とエサを解説しよう。
底釣り
エン堤向きは、どこに入ってもほぼ逆カケアガリ。本湖向きは最深部付近を除き左右の傾斜で、とくに入口付近は1席違うだけでかなりの水深差がある。つまり平らな地形での底釣りはまず不可能と心得よう。
傾斜地形だと底ダテが難しいが早霧湖は魚の活性が高いのでトップの戻り、アタリの出方、カラツン率などで釣りながらタナを合わせていくことができる。つまり魚任せでもOK。言葉は悪いが底ダテはテキトー(エサが底に着けばいいくらいの感覚)で済ませ、あとはウキとにらめっこしながら微調整する。
問題は上ずりだ。何投か空振りすると直後から口が下を向かなくなる。口下のスレならまだしも腹や尾ビレなどでスレてきたらら完全に上ずりのサインだろう。ここまでいってしまうと口を下に向けるのは厄介だ。よって早め早めの上ずり対策を講じるのが理想。
ウキの浮力、エサの大きさ、ハリの大きさ、ハリスの長さなど対処法はたくさんあるが、もっとも効果的な方法は空振らないことだ。魚を釣ればその時だけは魚が散るのでリセットされるが、空振りを続けると舞い上がったエサが下がるまでの滞空時間でますます上ずりが激しくなる。釣ることが最大の上ずり対策と心得よう。
なお何尺で底が取れるかなどは水位によっても変わるのでオーナーに確認するのがベストだ。
宙釣り
好みの釣り方でOKだが、現状だと混雑時は固形物を食わせに用いたセット釣りが強い。竿は8~10尺でタナはメーター前後またはチョウチンがいい。
空いていれば両ダンゴが面白い。数を狙うなら短竿浅ダナだが、良型狙いなら、あえて中尺または底付近のチョウチンにも挑戦したい。ウキをナジませるのに苦労するほど上層に魚が寄るが、そこをねじ込んで釣っていくことが決まった時の快感は何者にも代えがたい。
いずれにしても魚影特濃でよほどのことがない限り魚の活性も高めなので、釣りの腕を磨くには最高の「道場」だろう。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
早霧湖
料金:桟橋¥2700、舟¥3100