中国共産党政権は世界の最先端を行く知識人、科学者など海外ハイレベル人材を獲得するプログラム、通称「千人計画」を推進中だ。ターゲットとなった人材に対しては、賄賂からハニートラップまでを駆使して相手を引き込み、リクルートすることはよく知られている。

ドイツ連邦空軍のユーロファイター、EF-2000(Wikipediaから)

独ピストリウス国防相(左)、中国の李尚福国防相(右)に元独パイロットのリクルート活動の停止を要求(2023年6月3日、ドイツ民間ニュース専門局ntvから写真はドイツ通信)
大学教授や研究者の場合、研究費支援、贅沢三昧の中国への旅などが「甘い誘惑」だ。その禁断の実を味わうと、もはや忘れることができなくなるから、最終的には中国共産党の言いなりになってしまう。そして立派なパンダハガーとなっていくわけだ。
ちなみに、「パンダハガー」(Panda Hugger)とは、中国が世界の動物園に送っている友好関係のシンボル、動物パンダをハグする「抱く」を意味する。その両者を結合して「中国に媚びる人」「中国の言いなりになる人」、日本語訳では「媚中派」を意味する。中国共産党は人間の弱さがどこにあるかを熟知しているから、物欲、性欲を刺激するものをちらつかせるのだ(「トランプ政権の『パンダハガー対策』」2020年8月1日参考)。
ところで、中国共産党政権は政治家、大学教授、研究者だけではなく、欧米諸国の元戦闘パイロットをもリクルートしている。独週刊誌シュピーゲルが2日、報じたところによると、中国共産党政権はドイツ連邦軍の元戦闘パイロットをリクルートし、中国でトレーナーとして雇用しているという。シュピーゲル誌によると、少なくとも数人の元ドイツ空軍士官が中国で訓練官として、中国空軍パイロットを訓練しているというのだ。