
G7広島サミットが、5月19日から21日まで開催された。各国の首脳らがパートナーとともに来日し、そのファッションにも関心が向けられた。なかでも、イギリスのリシ・スナク(Rishi Sunak)首相の妻、アクシャタ・ムルティ(Akshata Murty)夫人には注目が集まった。
アクシャタ・ムルティ夫人は、金融業界で働いた後、自身のファッションブランド「アクシャタ デザインズ(Akshata Designs)」を設立し、経営やデザイナーを務めている。初日に広島市内にある平和記念公園を訪れた際には、イギリスブランド 「ジョゼフ(JOSEPH)」のホワイトとベージュの市松模様のニットの上に、ライトブラウンのテーラードジャケットをはおり、「セザンヌ(Sézane)」のスカートを合わせる、ハイセンスな着こなしを披露した。

また、今回のG7広島サミットでは、環境問題に対するファッション業界の取り組みも世界に向けて発信された。
使用済み自動車の約99パーセントがリサイクル可能と言われている一方で、エアバッグやシートは助燃材としてのリサイクルにとどまっており、素材そのものとしてのリサイクルはあまりなされていない。
「レシス(LES SIX)」のデザイナーである川西遼平が、RYOHEI KAWANISHI名義で参加しているプロジェクト「エア ガーメンツ(AIR GARMENTS)」は、ファッション業界に通用するサステナブルなエアバッグの洋服を制作している。その新作展示が広島サミットの、日本の環境問題に関する先進的取り組みを紹介するブースで展示された。
川西の出身地である、鳥取のリサイクル事業を行う西川商会と協力して行っているプロジェクトで、エアバッグの裁断から洋服製作まですべてを鳥取県内で完結し、その流れ自体を作品化している。
ファッションという視点でG7広島サミットをみてきたが、政治の場においてもファッションは欠かせない存在である。

文・西山夏海/提供元・SEVENTIE TWO
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