岩手県奥州市の商業施設「メイプル」運営会社倒産の本当の理由はなんだ?
(画像=『SEVENTIE TWO』より 引用)

 岩手県奥州市の商業施設「メイプル」を運営している水沢クロス開発は5月11日付で盛岡地裁水沢支部から破産手続の開始決定を受け倒産したことが明らかになった。

 「メイプル」は1985年開業したが、核店舗だったスーパー「ジャスコ」の撤退により2005年5月に一旦閉店。しかし「メイプル」は市街の中心施設でもあり、2004年に設立された水沢クロス開発により2006年4月に営業を再開していた。しかし、近年は核店舗のスーパーを始めテナント撤退が相次いだ。加えて施設の老朽化、電気代高騰による採算悪化、2020年からのコロナ禍による客数減少で業績が悪化し、2023年4月に閉店し事後処理を進めていた。負債総額は約3億円。

 奥州市の人口は10万8000人余り。あの大谷翔平の出身地として最近は大注目されている。岩手県では盛岡市についで第2の人口を誇る市である。花巻市、北上市、一関市、遠野市などが隣接する市である。しかし中核テナントの撤退が2004年以降続いていたという。いずれも採算がとれないから撤退するのだ。

 その根源的な理由は、人口減少ということになるのではないか。日本の人口は2008年から減少に転じているが、人口10万人クラスの地方都市ではすでに2000年あたりから人口減少は始まっている。この「メイプル」のオープンはバブル経済が始まる1985年。それから15年営業したあたりからちょっと様子がおかしいということになっていたのではないだろうか。こうした地方の人口10万〜20万人クラスの都市では、百貨店の閉店は一巡したが、今後はショッピングセンター閉店のニュースが増えそうだ。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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