5月22日から24日にかけて、4大ラグジュアリー企業の株が急落した。NYダウ平均株価は大きな下落を見せていないのに一体なぜなのか。その下落の概要は以下の通り。
LVMH:−5.9%
ケリング:−5.2%
リシュモン:−6.3%
エルメス・インターナショナル:−6.5%
一体何が起こったのか?大手証券会社のモルガン・スタンレーが最近開いた高級品関連会議で、「米国のラグジュアリーブランドの業況が比較的軟調」と語られたのが原因だという見方があるが、4大ラグジュアリー株について言えば、この5年間の株価(2018年6月1日の終値と2023年5月25日の終値)を比較してみると、以下のようになっている。
LVMH:2.7倍
ケリング:1.03倍
リシュモン:1.6倍
エルメス・インターナショナル:3.1倍
この4つの銘柄に投資した投資家や、この4つの銘柄を組み込んだ投資信託などはかなりの数になると見られ、一旦売って利益を確保しておこうという動きのきっかけになったと考えていいのだろう。
株で確実に利益を出す方法は、長期に好業績を持続できる企業の株を長期保有することである。上記の4大ラグジュアリーブランド企業は、2008年のリーマン・ショックによる世界金融恐慌が落ち着いてからの10年間で好業績を持続し、さらにコロナ禍の影響もあまりなかったというくらいその好調ぶりは際立っていた。当然、株価も大きく上昇しているので、このあたりで利益を確定する売りが大量に出ても不思議ではない。
「そろそろラグジュアリーブランドが売れなくなるということではないだろう。まだまだ中国市場に開拓余地はあり、あと5年は大丈夫だと思う。問題はその後だが」と業界関係者は見ている。モルガン・スタンレーの高級品関連会議で飛び出した「米国ラグジュアリーマーケットの軟調」は確かに当たっているかもしれない。米国経済は不況入りしたと最近言われ続けているのだが、どうもその実態をつかまえかねているというのがNY株式市場の最近の動きではある。
4名柄とも下落は止まり反転しつつあるが、予断は許さない。
文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO
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