一部では、いずれ豪ドル/円は100円を超えるという予想も出ていますが、本当に可能なのでしょうか?この記事では、豪ドル/円の長期見通しや注意点、政策金利など、取引に必要な知識と最新情報を解説します。
豪ドルの特徴
豪ドルは資源国通貨であり、世界取引量第6位を誇る通貨です。豪ドルの特徴について詳しく見ていきましょう。
豪ドル:資源国通貨の特徴を持つ外貨取引の人気通貨
資源国通貨である豪ドル。先進国の中でも金利が高い通貨として人気を集めています。オーストラリアは世界屈指の豊富な資源産出国であることから、原油や金などの資源価格や輸出国の影響を受けやすいという特徴があります。
オーストラリアの経済成長や金利政策も豪ドルに影響を与えます。オーストラリアの経済が安定し成長が見込まれる場合は、豪ドルは強含みとなるでしょう。同様に、政策金利の引き上げが行われると豪ドルの魅力が高まります。
世界取引量第6位:豪ドルの市場規模
豪ドルは世界的に取引量の多い通貨の一つであり、市場規模は非常に大きいです。2022年の取引量で比較すると、世界で6番目に取引量が多く、豪ドル/円の取引も盛んです。 2022年の世界の外為市場取引額の順位は以下の通りです。
順位 | 通貨 |
1位 | 米ドル(USD) |
2位 | ユーロ(EUR) |
3位 | 日本円(JPY) |
4位 | ポンド(GBP) |
5位 | 人民元(CNY) |
6位 | 豪ドル(AUD) |
7位 | カナダドル(CAD) |
8位 | スイスフラン(CHF) |
9位 | 香港ドル(HKD) |
10位 | シンガポールドル(SGD) |
参考元:BIS 2022 年外国為替及びデリバティブに関する中央銀行サーベイ
そのため、市場規模と流動性があり、スムーズな取引が可能です。
中国との関係:豪ドルの相場における重要なファクター
中国とオーストラリアの経済関係は非常に密接であり、豪ドルは中国経済の影響を受けやすいという特徴があります。
また、中国経済の不安要素や貿易摩擦の影響も豪ドルに波及することがあります。中国経済の鈍化や需要減少が起きると、オーストラリアへの輸出が減少し、豪ドルは下落する可能性があります。
豪ドルの高金利政策とその影響
2023年現在、豪ドルは相対的に強い通貨としての地位を維持しています。オーストラリア経済の成長が持続し、資源価格の上昇が豪ドルを支えています。また、政策金利の引き上げも豪ドルの魅力を高めています。
豪ドルの現在の市場状況と長期的な見通し
魅力的な豪ドルですが現状とこれからが気になりますよね。豪ドルの現在の市場状況と長期的な見通しについて詳しく解説します。
2023年5月現在の豪ドル相場:最新情報と分析
2023年5月現在、豪ドル/円は90円前後で推移しています。
豪ドルの過去の相場動向:中国経済の影響を非常に強く受ける
先述した通り、豪ドルの相場動向は、中国経済と切っても切り離せません。
豪ドル/円の見通し:2023年内に100円到達の可能性は?
2023年5月現在、豪ドル/円は90円台で推移しています。将来的には100円に到達する可能性があるものの、2023年内に達する可能性は低いと予想されます。
前提として、オーストラリア経済は世界的な経済停滞から早期に回復し、ウクライナ危機によってエネルギー輸出にも好影響がありコモディティ価格が上昇しています。オーストラリア経済自体は好調と言えます。
参考元:JETRO
その他の懸案事項として、オーストラリアは中国経済との結びつきが強く、中国の金融政策や感染症の再拡大リスクなども考慮する必要があります。
これらを総合すると、基本的にはポジティブな材料が多いものの、「年内に100円に到達するほどの好材料がそろっている」とまではあまり言えません。
豪ドルの未来予測:5年後、10年後の見通し
豊富なエネルギー資源を保有するオーストラリア経済の先行きは良好で、国際通貨基金(IMF)もオーストラリアにはポジティブな評価を与えています。
2023年以内に「100円到達」こそ難しいと考えられるものの、5年~10年の間に豪ドルは大きく上昇すると予想されます。その理由は、移民政策による人口増加と、それに伴う消費拡大と経済成長が見込まれるからです。また、
今後中国が世界一の経済大国になる可能性が高く、それによる好影響も期待できます。オーストラリアは内需の拡大によって経済が発展し、中国の経済も大きく成長すれば、内外の需要が拡大する可能性があると考えられます。
参考元:AMP
オーストラリアの金利政策と豪ドルの相場への影響
政策金利の変動は、豪ドルの相場に大きな影響を与えます。一般的に政策金利の引き上げは通貨を魅力的なものとし、需要を高める傾向があります。一方、政策金利の引き下げは、通貨の需要を減少させる可能性があります。
豪ドルの政策金利はオーストラリア準備銀行(RBA)が、毎月第一火曜に開催する「金融政策委員会」にて定めています。
前述の通り、豪ドルは2022年より10回連続で利上げが行われてきましたが、2023年4月には据え置き。利上げ幅も小さくなっており、今後の動向が注視されます。
2022年からのオーストラリアの政策金利推移は以下の通りです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
2022年 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.35 | 0.85 | 1.35 | 1.85 | 2.35 | 2.6 | 2.85 | 3.1 |
2023年 | 3.1 | 3.35 | 3.6 | 3.6 | 3.85 |
豪ドル投資のメリット・デメリット
エネルギー資源や人口増加、金利政策など強気の要因がそろっている豪ドルに投資するメリットとデメリットを解説します。
メリット
前述の通り、豪ドルは2020年3月に底値を記録して以来、3年以上に渡って継続的な上昇トレンドにあります。IMFもオーストラリア経済の先行きにはポジティブな見解を示しており、長期保有するメリットが大きい通貨と言えるでしょう。
また、豪ドルは豪ドル/円と豪ドル/米ドルの2通りで、多くのFX会社でスプレッドが低い傾向にあります。
デメリット
豪ドルは2020年以降継続的に上昇している通貨ではありますが、前述の通り「米中貿易摩擦」や「新型コロナ」など中国経済の停滞の影響を強く受けます。
例えばFX初心者や、外貨建て保険、外貨預金に興味がある方の場合、まずは基軸通貨である米ドルに投資をする方が無難でしょう。「外貨投資の初心者の方が一番初めに投資すべき通貨」とまでは言えません。
取引コストが低い豪ドル取引におすすめのFX会社一覧
SBI FX トレード
SBI FXトレードは、SBIグループが提供するFX取引サービスです。
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取引手数料 | 無料 |
取引単位 | 1通貨 |
通貨ペアの取扱い数 | 34種類 |
外為どっとコム
外為どっとコムは、外為オンライン株式会社が提供するFX取引サービスです。
外為どっとコム | |
取引手数料 | 無料 |
取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペアの取扱い数 | 30種類 |
FXプライム byGMO
FXプライム byGMOは、以前から運営されていたFXプライムがGMOフィナンシャルホールディングス株式会社の傘下に入り、「FXプライムbyGMO」へと改名した会社です。2023年9月1日からはGMOコイン株式会社に吸収合併されます。
FXプライム byGMO | |
取引手数料 | 無料 |
取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペアの取扱い数 | 17種類 |
LINE FX
LINE FXは、LINE証券のサービスの一つとしてリリースされたFX取引サービスです。
LINE FX | |
取引手数料 | 無料 |
取引単位 | 1,000通貨 |
通貨ペアの取扱い数 | 23種類 |
豪ドルに関するよくある質問とその回答
豪ドルに関するよくある疑問と答えをまとめました。
豪ドルが上昇するために必要な要素は?
豪ドル/円の相場が上昇するためには、いくつかの要素が必要です。まず、オーストラリア経済の成長や経済指標の改善が相場を支える要因となります。また、中国経済や世界経済の好調な動向も豪ドルの上昇に寄与する可能性があります。さらに、政策金利の上昇や地政学的な安定も相場の上昇を促す要素となります。
豪ドルの取引でレンジが読みにくいって、本当?
豪ドル/円の相場でレンジが読みにくいと感じられることはあります。相場がある範囲で上下動を繰り返し、明確な方向性が見えにくい状況にある場合です。短期間のデイトレードなどの取引スタイルでは、レンジ相場の中でのトレードは難しい場合があります。そのため、トレンドが明確になるまで相場の動きを見極めることも大事です。
豪ドル以外に注目すべき通貨は?
豪ドル/円以外にも注目すべき通貨はいくつかあります。例えば、トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどはスワップポイントが高く、金利収入を狙う投資家に人気があります。ただし、スワップポイントが高い場合、それだけリスクも高い場合が多いことに留意しましょう。
豪ドルの特性と見通しに関するまとめ
今回は豪ドルの特性と見通しについて解説しました。2023年中に100円の大台に乗るのは難しそうではあるものの、中長期的には上昇傾向にある豪ドル。円安リスク回避のためにも、投資先として検討してみることをおすすめします。
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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