一部では、いずれ豪ドル/円は100円を超えるという予想も出ていますが、本当に可能なのでしょうか?この記事では、豪ドル/円の長期見通しや注意点、政策金利など、取引に必要な知識と最新情報を解説します。

豪ドルの特徴

豪ドルは資源国通貨であり、世界取引量第6位を誇る通貨です。豪ドルの特徴について詳しく見ていきましょう。

豪ドル:資源国通貨の特徴を持つ外貨取引の人気通貨

資源国通貨である豪ドル。先進国の中でも金利が高い通貨として人気を集めています。オーストラリアは世界屈指の豊富な資源産出国であることから、原油や金などの資源価格や輸出国の影響を受けやすいという特徴があります。

【2023最新】豪ドル/円は100円到達?取引に必要な全知識:長期見通し、注意点、政策金利まで
(画像=豪ドルは資源国通貨として知られており、オーストラリアの豊富な資源をバックにしています。これにより豪ドルの相場は主要なコモディティの価格動向と密接に関連しています。例えば、鉄鉱石の需要が高まると豪ドルも上昇し、需要が低下すると下落する傾向があります,『オトナライフ』より 引用)

オーストラリアの経済成長や金利政策も豪ドルに影響を与えます。オーストラリアの経済が安定し成長が見込まれる場合は、豪ドルは強含みとなるでしょう。同様に、政策金利の引き上げが行われると豪ドルの魅力が高まります。

世界取引量第6位:豪ドルの市場規模

豪ドルは世界的に取引量の多い通貨の一つであり、市場規模は非常に大きいです。2022年の取引量で比較すると、世界で6番目に取引量が多く、豪ドル/円の取引も盛んです。 2022年の世界の外為市場取引額の順位は以下の通りです。

順位 通貨
1位 米ドル(USD)
2位 ユーロ(EUR)
3位 日本円(JPY)
4位 ポンド(GBP)
5位 人民元(CNY)
6位 豪ドル(AUD)
7位 カナダドル(CAD)
8位 スイスフラン(CHF)
9位 香港ドル(HKD)
10位 シンガポールドル(SGD)

参考元:BIS 2022 年外国為替及びデリバティブに関する中央銀行サーベイ

そのため、市場規模と流動性があり、スムーズな取引が可能です。

中国との関係:豪ドルの相場における重要なファクター

中国とオーストラリアの経済関係は非常に密接であり、豪ドルは中国経済の影響を受けやすいという特徴があります。

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(画像=中国の経済成長や需要の変化は、豪ドルの相場に大きな影響を与えます。特に中国の需要が高まると、オーストラリアの主要輸出品の価格が上昇し、それに伴って豪ドルも上昇する傾向があります,『オトナライフ』より 引用)

また、中国経済の不安要素や貿易摩擦の影響も豪ドルに波及することがあります。中国経済の鈍化や需要減少が起きると、オーストラリアへの輸出が減少し、豪ドルは下落する可能性があります。

豪ドルの高金利政策とその影響

2023年現在、豪ドルは相対的に強い通貨としての地位を維持しています。オーストラリア経済の成長が持続し、資源価格の上昇が豪ドルを支えています。また、政策金利の引き上げも豪ドルの魅力を高めています。

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(画像=日本国内での影響としては、外貨定期預金の特別金利の提供が挙げられます。例えばソニー銀行では、2022年10月3日から豪ドルやNZドルの6カ月の定期預金を年利6.00%(税引き前)で提供。円の金利は年0.02%であることと比較すると、年6.00%の金利は「円の金利よりも300倍高い」相場に当たります。同社の外貨定期は「極めて高水準の金利」と言えます (画像引用元:ソニー銀行公式ブログ),『オトナライフ』より 引用)

豪ドルの現在の市場状況と長期的な見通し

魅力的な豪ドルですが現状とこれからが気になりますよね。豪ドルの現在の市場状況と長期的な見通しについて詳しく解説します。

2023年5月現在の豪ドル相場:最新情報と分析

2023年5月現在、豪ドル/円は90円前後で推移しています。

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(画像=2023年5月18日現在、豪ドル/円は91.6355円。新型コロナの感染拡大が顕著となった2020年3月20日に、直近の5年で底値となる64.3025円を記録。その後は継続的な上昇トレンドに突入し、「2023年内に100円に到達するかどうか」は豪ドル/円相場に関心がある方にとっては、非常に興味深いテーマとなっています (画像引用元:Google Finance(一部編集部にて画像加工)),『オトナライフ』より 引用)

豪ドルの過去の相場動向:中国経済の影響を非常に強く受ける

先述した通り、豪ドルの相場動向は、中国経済と切っても切り離せません。

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(画像=例えば2018年12月から2019年1月にかけて、豪ドルの価値が急落しました。2018年12月15日の81.4695円から突如下降トレンドに転じ、2019年1月5日には77.2440円へと下降。その原因は、米中貿易摩擦による中国経済の停滞です。中国はオーストラリアにとって大切な貿易相手国であり、中国経済の影響を強く受けています。その後も時期によっては持ち直すものの70円台前半まで下降し、前述の通りコロナ直後には60円台まで落ちています (画像引用元:Google Finance(一部編集部にて画像加工)),『オトナライフ』より 引用)

豪ドル/円の見通し:2023年内に100円到達の可能性は?

2023年5月現在、豪ドル/円は90円台で推移しています。将来的には100円に到達する可能性があるものの、2023年内に達する可能性は低いと予想されます。

前提として、オーストラリア経済は世界的な経済停滞から早期に回復し、ウクライナ危機によってエネルギー輸出にも好影響がありコモディティ価格が上昇しています。オーストラリア経済自体は好調と言えます。

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(画像=しかし、オーストラリア準備銀行(RBA)による政策金利の利上げ幅の小ささは無視できません。2022年から10回連続で利上げが行われたものの、利上げ幅は縮小傾向にあり、RBAは2023年4月に政策金利を3.6%に据え置いています。2023年5月には再び利上げされたものの、近い将来、再び利上げが停止される可能性もあります (画像引用元:RBA),『オトナライフ』より 引用)

参考元:JETRO

その他の懸案事項として、オーストラリアは中国経済との結びつきが強く、中国の金融政策や感染症の再拡大リスクなども考慮する必要があります。

これらを総合すると、基本的にはポジティブな材料が多いものの、「年内に100円に到達するほどの好材料がそろっている」とまではあまり言えません。

豪ドルの未来予測:5年後、10年後の見通し

豊富なエネルギー資源を保有するオーストラリア経済の先行きは良好で、国際通貨基金(IMF)もオーストラリアにはポジティブな評価を与えています。

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(画像=ロシアのウクライナ侵攻とインフレの高騰で、世界の主要国の経済成長率の見通しが悪化した一方、IMFによるオーストラリアの推定成長率は上昇し、「4.2%」。2023年内に、世界第12位の経済大国になる見込みです (画像引用元:IMF公式ウェブサイト),『オトナライフ』より 引用)

2023年以内に「100円到達」こそ難しいと考えられるものの、5年~10年の間に豪ドルは大きく上昇すると予想されます。その理由は、移民政策による人口増加と、それに伴う消費拡大と経済成長が見込まれるからです。また、

今後中国が世界一の経済大国になる可能性が高く、それによる好影響も期待できます。オーストラリアは内需の拡大によって経済が発展し、中国の経済も大きく成長すれば、内外の需要が拡大する可能性があると考えられます。

参考元:AMP

オーストラリアの金利政策と豪ドルの相場への影響

政策金利の変動は、豪ドルの相場に大きな影響を与えます。一般的に政策金利の引き上げは通貨を魅力的なものとし、需要を高める傾向があります。一方、政策金利の引き下げは、通貨の需要を減少させる可能性があります。

豪ドルの政策金利はオーストラリア準備銀行(RBA)が、毎月第一火曜に開催する「金融政策委員会」にて定めています。

前述の通り、豪ドルは2022年より10回連続で利上げが行われてきましたが、2023年4月には据え置き。利上げ幅も小さくなっており、今後の動向が注視されます。

2022年からのオーストラリアの政策金利推移は以下の通りです。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2022年 0.1 0.1 0.1 0.1 0.35 0.85 1.35 1.85 2.35 2.6 2.85 3.1
2023年 3.1 3.35 3.6 3.6 3.85              

豪ドル投資のメリット・デメリット

エネルギー資源や人口増加、金利政策など強気の要因がそろっている豪ドルに投資するメリットとデメリットを解説します。

メリット

前述の通り、豪ドルは2020年3月に底値を記録して以来、3年以上に渡って継続的な上昇トレンドにあります。IMFもオーストラリア経済の先行きにはポジティブな見解を示しており、長期保有するメリットが大きい通貨と言えるでしょう。

また、豪ドルは豪ドル/円と豪ドル/米ドルの2通りで、多くのFX会社でスプレッドが低い傾向にあります。

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(画像=FXでは同じ通貨ペアでも購入価格と売却価格が異なります。この価格差は金融機関の外貨両替手数料に由来するもので、「スプレッド」と呼ばれています。スプレッドはFXの取引手数料に相当し、スプレッドが低いほどトレーダーは手数料を抑えられるため、利益を上げやすくなります。スプレッドが低い通貨であるという点でも、豪ドルはおすすめできます ,『オトナライフ』より 引用)

デメリット

豪ドルは2020年以降継続的に上昇している通貨ではありますが、前述の通り「米中貿易摩擦」や「新型コロナ」など中国経済の停滞の影響を強く受けます。

例えばFX初心者や、外貨建て保険、外貨預金に興味がある方の場合、まずは基軸通貨である米ドルに投資をする方が無難でしょう。「外貨投資の初心者の方が一番初めに投資すべき通貨」とまでは言えません。

取引コストが低い豪ドル取引におすすめのFX会社一覧

SBI FX トレード

SBI FXトレードは、SBIグループが提供するFX取引サービスです。

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(画像=SBI FXトレードでは、パソコンやスマートフォンから24時間365日いつでも取引ができ、初心者向けの情報やツールが充実しています。SBI FXトレードは、住信SBIネット銀行と提携しており、住信SBIネット銀行の口座を持っている場合は、口座間での資金移動がスムーズに行えます。1通貨から取引可能で、少額でFXが始められるので初心者におすすめの取引サービスです (画像引用元:SBI FXトレード公式サイト),『オトナライフ』より 引用)
SBI FXトレード
取引手数料 無料
取引単位 1通貨
通貨ペアの取扱い数 34種類

外為どっとコム

外為どっとコムは、外為オンライン株式会社が提供するFX取引サービスです。

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(画像=外為どっとコムは各種取引手数料が無料で、HDI格付け調査三ツ星評価を獲得した24時間対応のサポート体制が充実しており、初心者でも安心です。数あるFX取引サービスの中でもキャンペーンを多く行っており、現在は最大30万円キャッシュバックの新規口座開設キャンペーンや最大50,000円獲得できるお友達ご紹介キャンペーンなどが開催中です (画像引用元:外為どっとコム公式サイト),『オトナライフ』より 引用)
外為どっとコム
取引手数料 無料
取引単位 1,000通貨
通貨ペアの取扱い数 30種類

FXプライム byGMO

FXプライム byGMOは、以前から運営されていたFXプライムがGMOフィナンシャルホールディングス株式会社の傘下に入り、「FXプライムbyGMO」へと改名した会社です。2023年9月1日からはGMOコイン株式会社に吸収合併されます。

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(画像=FXプライムbyGMOは、インターネットに強いGMOのグループ会社であることを活かし、強靭なサーバーに裏付けされた高い約定力をもったFX会社で、細かい取引を繰り返すスキャルピングを容認しています。なおGMOコイン株式会社へ吸収合併されるのに伴い、「ちょいトレFX」など一部サービスが終了予定です (画像引用元:FXプライム byGMO公式サイト),『オトナライフ』より 引用)
FXプライム byGMO
取引手数料 無料
取引単位 1,000通貨
通貨ペアの取扱い数 17種類

LINE FX

LINE FXは、LINE証券のサービスの一つとしてリリースされたFX取引サービスです。

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(画像=LINE FXは毎月の新規取引量に応じてLINEポイントが貯まったり、LINE FX公式アカウントを友だち追加しておくと経済指標や急変動をLINEで知らせてくれたりなど、LINEグループであることを活かした強みが魅力。スマホの取引ツールLINE FX アプリも直感的に分かりやすい仕様です (画像引用元: LINE FX公式サイト),『オトナライフ』より 引用)
LINE FX
取引手数料 無料
取引単位 1,000通貨
通貨ペアの取扱い数 23種類

豪ドルに関するよくある質問とその回答

豪ドルに関するよくある疑問と答えをまとめました。

豪ドルが上昇するために必要な要素は?
豪ドル/円の相場が上昇するためには、いくつかの要素が必要です。まず、オーストラリア経済の成長や経済指標の改善が相場を支える要因となります。また、中国経済や世界経済の好調な動向も豪ドルの上昇に寄与する可能性があります。さらに、政策金利の上昇や地政学的な安定も相場の上昇を促す要素となります。

豪ドルの取引でレンジが読みにくいって、本当?
豪ドル/円の相場でレンジが読みにくいと感じられることはあります。相場がある範囲で上下動を繰り返し、明確な方向性が見えにくい状況にある場合です。短期間のデイトレードなどの取引スタイルでは、レンジ相場の中でのトレードは難しい場合があります。そのため、トレンドが明確になるまで相場の動きを見極めることも大事です。

豪ドル以外に注目すべき通貨は?
豪ドル/円以外にも注目すべき通貨はいくつかあります。例えば、トルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどはスワップポイントが高く、金利収入を狙う投資家に人気があります。ただし、スワップポイントが高い場合、それだけリスクも高い場合が多いことに留意しましょう。

豪ドルの特性と見通しに関するまとめ

今回は豪ドルの特性と見通しについて解説しました。2023年中に100円の大台に乗るのは難しそうではあるものの、中長期的には上昇傾向にある豪ドル。円安リスク回避のためにも、投資先として検討してみることをおすすめします。

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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