黒坂岳央です。
人間、誰しも年をとると世の中にある受動的な娯楽にどうしても飽きてくる。若い頃にどれだけ夢中になった趣味でも受け身で楽しめる期間には限りがあると考えている。
年をとっても楽しんでいる人は、受動的な態度からクリエイティブ要素を取り込んだ「創作」へと昇華させていることがほとんどだ。たとえば映画鑑賞が趣味な人は、膨大な作品を鑑賞した知見を活かして映画評論家になるなどである。受け身の娯楽には限界が来る。
以前、消費に飽きた人は、残りの人生で何をすればいいか?という記事を書き、そこでは創作活動の楽しさを取り上げた。だが一生涯飽きずに楽しい活動は創作に留まらない。もう一つは「育成」、つまり育てる活動である。

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育成の筆頭は自分自身の能力開発だ。勉強や仕事を通じて、知らなかった知識や高い技術を付ける自己育成はとても楽しい。料理でも外国語でもITでもあらゆる分野で、それまでできなかったことができるようになる瞬間は最高の楽しさが味わえる。
自分自身、自己育成を半分仕事のため、半分は娯楽のためにやっている。毎日、本を読み、海外の記事や動画を見て知識や技術を仕入れる。仕入れた知見を記事や動画にしたり、時に自主セミナーを通じて発信し、話を聞いてくれた人からフィードバックを得る。この一連のプロセスはすべて自分自身の育成につながる。時間が経過すればするほど、どんどん自分のレベルがアップしていく実感はとても楽しい。
他者を育てる育成する対象は自分自身に留まらない。自分の子供や顧客といった他者を育てる過程も大変楽しいものである。
正直、育児はかなり大変な要素も少なくない。3食食事を作って与え、学校や園の準備をしたり、買い物などに走る。仕事と違って育児は外注もIT化による効率化もできない。ほぼ肉体労働に近いので体も疲れる。しかし、大変だからこそそこにはやりがいと楽しさが宿る。しっかりと愛情をかけるほど、子どもたちからの愛がフィードバックとなって返ってくる瞬間は嬉しい。
そして自分は英語教育の仕事をしているので、英語を頑張りたいという利用者の育成をしている。自分が知っている英語学習の知識、技術に留まらず、時には人生論やメンタルマネジメントの技術なども余すことなく伝えるようにしている。そうすることで英語力だけでなく、一緒に人格も育っていく過程を見たり感謝の声をもらうことがある。これはとても楽しくやりがいがあると感じる。自分のサポートで人が育っていく過程には大きな責任を伴う反面、同時にとても楽しいのだ。