5月末頃から本格的に賑わいだすキャンプ場。もうすでに秋頃までのキャンプの予定を立てている、というキャンパーは多いことでしょう。

コロナ禍前からのキャンプブームに加え、コロナ禍中は適度に人との距離がたもてるとあり、さらなる人気を集めました。こうしたブームの影響もあり、人気のキャンプ場は週末の予約が数か月先までミッチリ、というのは珍しくありません。

キャンプは自然の中で、ゆっくり過ごす時間がなんと言っても醍醐味。しかしながら、キャンプ場はそう癒やされることばかりでもないのです……。

キャンプに関する注意喚起の記事はすでに世の中多数あふれていますが、それでもマナー違反をする人はあとをたちません。そこで今回は、単に注意事項を紹介するのではなく、キャンプ歴うん十年の筆者が遭遇したひどい実体験交えつつ、「厳守すべきマナーポイント」をおさえていきます。

■ ゴミ捨て場が火事

いきなり強烈エピソードですが、実話です。2020年10月の出来事です。当時は2020年3月にはじまったコロナ騒動から、世間は少しだけ落ち着きを取り戻していました。旅行こそ盛んではないものの、人と距離をおける……という理由からキャンプがより注目されはじめた時期。

訪れたのは、筆者が長年通い詰めるキャンプ場。1日すごした翌日、2日目の朝のことでした。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

撤収作業も済み、あとはゴミを出して帰ろうか……としていたタイミング。ふとみるとゴミ捨て場から、一人の少年がこちらに向かって走って来ました。燃えさかるダンボールを片手にもって……。私の心境は「まじで!!」。ギャグマンガなら目が飛び出ていたと おもいます。

すぐさま少年をつかまえて話を聞くと「ゴミ捨て場が燃えかけてる!」「一番燃えてるダンボールひきぬいてきた!!!」と興奮したようす。子どもながらの正義心だったのでしょうが、さっさととりあげ消火したのは言うまでもありません。

その後はゴミ捨て場へ一目散。到着したタイミングで、煙に気がついた管理人さんたちもやってきました。あつまってきた人たちで協力しあって、なんとか短時間で消火に成功。

終わったころには、類焼さけるためにゴミ出し場からかき出したゴミや、燃えかけたゴミなどでしっちゃかめっちゃか大散乱。一部にはまだくすぶりも残っていました。

そんな状況をみた、管理人さんがぽつり。「実はこれ今年だけで2度目」「消えてない炭をゴミに入れちゃいけないってなんでわかんないかなー」と、怒りをこめてぼやいていました。そら怒る……。

どうやら誰かが「炭を消火したと思い込みゴミに出してしまったこと」が原因だったようです。

▼水で消火した炭は火が消えたように見えても、芯には残っている可能性が「よく」ある

実は一度燃えた炭は、水をかけただけでは簡単には火を消せません。水をかけて一見消火できたように思える炭でも、芯に火が残っていることは「よく」あるんです。その場合、時間をおいて再び燃え上がります。たぶん上記のエピソードの火だねも、こうした処置から起きた悲劇ではないかと思われます。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

▼炭は放置するな、自然にかえらん

燃える炭を穴を掘って土や砂浜に埋めて処分・消火しようとする方法も論外。すぐ消えるとおもいきや、中でくすぶり踏んだ人がやけどをする、という事故が過去起きています。

また「炭は土の栄養になるからいっしょ!」という人もいますが、そんなことをしたら「バカタレこらぁ(金八風)」と誰かに叱られても当然。「炭は自然にかえりません」。誰かが処分するまでそこに残り続け、ただのゴミと化すのです。

古代の遺跡から「炭がでてきた」というニュースをみたことはないでしょうか?炭とは適切に処理しなければ、それくらい長く残り続けるものなのです。

▼炭の残りや灰を処分するときは「炭捨て場」もしくは「灰捨て場」へ

基本的に一度火をつけた炭は灰になるまで燃やしきるのが理想。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

ただしどうしても残ってしまうことはあるでしょう。そんなときのために各キャンプ場には……ななんと!「炭捨て場」もしくは「灰捨て場」と呼ばれる専用の場所があります!

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)
癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

一度火をつけた炭や残った灰は、ゴミに出すのは厳禁。みんなの安全のためにも「炭捨て場」もしくは「灰捨て場」を必ず利用しましょう。

【注意点まとめ】
・水で消火した炭は火が消えたように見えても、芯には残っている可能性が「よく」ある
・炭は放置するな、自然にかえらん
・炭の残りや灰を処分するときは「炭捨て場」もしくは「灰捨て場」へ

■ 近くのサイトは丸一日ハイテンションなYouTuber

つぎは昨年の夏終わり頃の話。夏休みが終わって、キャンプ場の賑わいが少し落ち着いていたころでした。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

訪れたのは、サイト間の距離がゆったりと設けられた快適キャンプ場。逆をいえば「声、音楽などの音」は「よく通る」んです。

その日は開始ちょうどにチェックイン。早々に設営を済ませてくつろいでいたところ、2時間あとくらいに男性2人組が近くのサイトにやってきました。

この日はキャンプ場全体で1/5程度の埋まり具合。人のいるサイト同士が隣り合わないよう、数サイト間隔をあけて配置されていました。彼らがきたのは、私から2サイトはなれた約10メートル先。

まぁ少し離れていることもあり、当初は元気がいいなぁ~程度にしかおもっていませんでした。あとは、カメラで撮影しながらずっと喋っているのでYouTuberなのかな~くらい。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

「ハイ~にきました!それでは設営をやってみようと思います!!」「完成!では中をみていきましょう~」的なことをずっと喋っていたかとおもうのですが、その後も引き続きのハイテンション。とはいえ、声がよく通るだけで奇声を発したり騒いでいたわけではありません。

ただただ、よく通る声でずっと何かをコメントしながら、同じテンションでずーーっといるだけです。まぁいずれ疲れるだろう……と思っていたのですが……。

その後夕暮れ時になっても、同じテンションのままBBQをスタート。今度は野菜を切る、肉を焼く、一口食べるごとに語る感動コメントまでもがこちらの耳に届きました。

癒やしのキャンプ場が地獄のキャンプ場に 実際にあったひどい出来事3選
(画像=『おたくま経済新聞』より引用)

騒いでいないことはわかる。酒に飲まれているわけでないこともわかる。ただ声が通るだけ&YouTuber独特のテンションで居続けるだけ。

でも……そんな人がすぐ近くにずっーーーといたらどうなるとおもいます?私はめちゃくちゃ疲れました。あと思ったのが、YouTuberのテンションって画面通して10分なり15分なりの間見ているから平気なだけで、リアルで近くにずっといると「苦痛」、ということです。

流石に日が暮れかかった時間帯に管理人さんに相談して止めてもらいましたが……。(撮影やめたらスンと静かになった)

テンション高くていいのは一時。延々続くあの時間はわずか6時間でも、周りのこちらは苦痛でしかありませんでした。

▼キャンプ場は意外と音が通る

この件で知って欲しいのが、「キャンプ場」は意外と音が通るということ。更地にしてある場所は特に。よって、大声を発さないとしても、声の通る人なら今回のように10メートル先まで話し声や笑い声が聞こえてしまうことがあります。音楽もしかり。

キャンプ場を訪れ、音楽を鳴らしたい、みんなでお喋りを楽しみたい、というときは到着してまず「音だし」をして確認するのが良いかと思われます。自分のサイトで音をだしてもらい、どの程度の距離まで響くのかを別の人間がチェックする。これをするだけで自分も周りも気兼ねなく、楽しい時間が過ごせるはずです。

もちろんチェックしてOKだったとしても「サイレントタイム(クワイエットタイム)」の時間は守ること。キャンプ場ごとに「音をだしていい時間帯」が決められています。チェックインするときは「何時から何時まで静かにしなければならない時間か」を必ず確認するようにしましょう。

【注意点まとめ】
・サイト間隔が空いていたとしても音は通ることをわすれずに
・到着してすぐ「音チェック」するのがオススメ
・「サイレントタイム」のチェックも忘れずに