鳴海製陶社が開発したティーポット「MOMENT」が、世界三大デザイン賞のひとつと言われる「レッド・ドット・デザイン賞(2023)」を受賞。そして、5月25日(木)より一般向けに、公式オンラインショップにて予約受付をスタートした。
ティーポットを日常に取り込み、心を落ち着けるひと時を過ごしてみよう。
国際的なデザイン賞「レッド・ドット・デザイン賞」
「レッド・ドット・デザイン賞」とは、ドイツ・のエッセンにあるDesign Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンター)が主催の、国際的なデザイン賞だ。iFデザイン賞(ドイツ)やIDEA賞(アメリカ)と並び、世界三大デザイン賞のひとつともいわれている。
「プロダクトデザイン」「ブランド&コミュニケーションデザイン」「デザインコンセプト」の3つの部門で審査される中、「MOMENT」は、プロダクトデザイン部門で受賞した。
忙しい日常に取り入れたい「MOMENT」
「MOMENT」は、忙しい日常に「間」を創り出すティーポットだ。
ユニークな曲線のフォルムが美しい「MOMENT」は、日常の光景に自然に溶け込みつつ、空間の中で確かな存在感を放つ。
効率化が優先され、マルチタスクな働き方・暮らし方が当たり前となっている現代。五感のすべてに心地良く訴えるティーポットは、お茶を淹れて飲むことを雑多な流れ作業にせず、心を落ち着けて大切に過ごす「モーメント(時間)」を創り出してくれるだろう。
アジアの伝統的なフォルムを再構築
デザインには、アジアの伝統的な壺のフォルムを現代的に再構築し、取り入れている。アジアの精神を具現化したフォルムは、使う人の心に情緒を呼び起こすだろう。
また、上に向かって伸びるユニークな形のハンドルは、日本の伝統文様である流水紋や瑞雲模様から着想を得ている。自然の“氣”の流れを表し、心を落ち着けるデザインに仕上がった。
人間工学に基づいた曲線のハンドル
ユニークな曲線のハンドルは、使いやすさも考慮されている。
「MOMENT」のハンドルは、物理法則「慣性モーメント」に着目し、ティーポットを持ち上げる際の手の位置と重心の関係に工夫を施している。
その結果、重心を吊り下げるように持ち上げることが可能となり、同容量の一般的なハンドルのティーポットに比べ、30%以上手首への負荷を軽減することができるように。見た目に美しいだけではなく、手にもやさしいティーポットとなっている。
高度な焼成技術で実現したデザイン
上に伸びるユニークな曲線のハンドルは、窯に入れて焼く際に変形してしまうため、一般的な陶磁器では製造が困難であるという。
一方で、鳴海製陶社は特別な焼成治具を使うことにより、このユニークな形のティーポットの量産化に成功。同社の高度な焼成技術で、どんな形でも均一にデザインすることが可能となった。
レッド・ドット・デザイン賞受賞記念イベント開催
「MOMENT」が「レッド・ドット・デザイン賞(2023)」を受賞したことを記念して、7月5日(水)にデザイナーによる解説イベント「NARUMI Presents Tea Party@Zoom#24」が開催となる。
ティーポットのデザインを手掛けた、デザイナーによる開発ストーリーを聞きながら、伝統美×人間工学が表現する心を惹きつける曲線の謎に迫っていく。
忙しい日常生活に、落ち着いた時間を提供する「MOMENT」を、この機会に手に取ってみては。
NARUMI Presents Tea Party@Zoom#24
会期:7月5日(水) 19:00~20:15
(綱嶋直也)