ドル円が140円を超え一時140.91円とスルッと上昇したタイミングで、”財務省・金融庁・日銀、午後5時半から情報交換会合”とのヘッドラインが飛び交いました。にわかに本邦当局によるドル売り・円買い介入観測が高まり、緊張が走ったものです。ドル円は、NY時間午前10時半までに一時139.57円まで下落しました。

財務省Wikipediaより

前回、ドル売り・円買い介入をスタートさせたのは2022年9月22日です。日銀が緩和政策を維持した背景もあって、ドル円は同日に一時145.90円まで上昇するなか、介入に踏み切りました。

そこで、当時の神田財務官の発言を振り返ってみましょう。

9月14日、ドル円が145円に迫るタイミング

「投機によるようなものに対しては必要な措置を取らざるをえない」 「今後しっかりとしかるべき対応を取ってまいりたい」」 「足元の動きは急激であり憂慮している」 「状況に応じて適切な対応を取る準備ができている」 「あらゆるオプションを排除せず、適切な対応をしたい」

9月22日、ドル円が一時145円を超えたタイミング(当日は一時145.90円まで上昇)

「為替相場の過度な変動や無秩序な動きは、家計であろうが、企業であろうが非常に悪影響を及ぼす」 「過度な変動の場合には、あらゆる手段を排除することなく、適切な対応をとる」 「(為替介入について)ずっとスタンバイの状態だ。いつでもやる用意がある」 「(為替介入について)ギアアップした対応」 「ステルス(覆面)でやる場合も、正直ある」

翻って5月30日の神田財務官の発言内容はというと、以下の通りです。

「過度な為替変動は好ましくない」 「為替市場の動向に適切に対応する」 「日々の為替市場の動向のコメントは控えたい」 「必要があればあらゆるオプションを否定しない」 「特定の相場のレベルには着目しない、変動幅が重要」