船のキス釣りは初心者でも釣果を得やすい釣りである一方、腕の差が釣果につながるテクニカルな釣りでもあります。当然、数を伸ばすためには竿選びも重要になるため、今回は竿選びのコツとオススメのロッドを紹介していきます。
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船キス竿の選び方
船のキス釣りには専用竿を使うのが最適です。まずは、長さや硬さなど、どのような竿を選べばいいのか解説していきましょう。
硬さが重要
硬さは船キス竿を選ぶ場合に重要な要素となります。一般的な船キス竿の特徴は、調子は7対3から8対2、穂先はキスのアタリを捉えて食い込みをアシストする繊細で柔らかい素材でできていて、硬さは表記はメーカーによって若干変わりますが、L、S、M、MH、Hなどがあります。
特徴としては誘いと感度を重視した先調子の硬めの竿がMH~Hクラス。オールマイティーに使えるMクラス。食い込みが良くキスの引きを存分に味わえるS、Lクラスというような感じです。
柔らかい竿はオモリを引き摺って誘う「引き釣り」や、船下での待ちの釣りで向こうアワセで掛けやすいメリットがあります。また、冬の低活性な状況下での釣りなどでは、柔らかい竿の食い込みの良さでしっかりとエサを食わせて釣るスタイルがアドバンテージになることも。
しかし誘いで仕掛けを動かしにくく、特に船キス釣りで多用する海底を小突く誘いなど、縦の誘いが入れにくいのがデメリットです。
一方の、硬めの竿は反発力があるため誘いを入れやすく、竿先がモタレる微妙な前アタリを察知し、本アタリに繋げて掛けに行く釣り方などに向いています。こちらは上級者向けのスタイルで、状況に応じて即アワセしたり、送り込んでからアワセたりとテクニックも必要になります。
しかし、毎回束釣り(100匹)を目指すようなアングラーなら竿の誘いやすさと掛けやすさは重要な要素となるので、汎用性を取るのか、食い込みの良さを取るのか自分のスタイルにも合わせて選んでみてください。
船キス竿の長さ
キス専用竿の長さはボート釣りにも使える1m強のショートロッドから、2m前後のものまでラインナップがあります。船では危険防止のため仕掛けをアンダーキャストで投げるので、あまり長すぎると投げにくく、1.8mぐらいまでの竿が取り回しがいいです。
オモリ負荷
キス釣りでは使用するオモリの号数が出船エリアや船宿によって変わってきます。人気の高い東京湾エリアでは10~20号が一般的ですが、東海エリアなどでは30号を使う船宿もあります。
東京湾向けのオモリ負荷20号~25号までの竿でも、30号なら背負える範囲ではありますが、オモリに負けて使いにくい可能性が高いので、自分の通う船宿やエリアの使用する号数を確認し、竿が適合範囲内か確かめてから選んでみるといいでしょう。
スピニングとベイト
船のキス釣りにはスピニングリール用のロッドと、ベイトリール用のロッドがあります。スピニングロッドはキャストがしやすく、ちょい投げして探ることの多い船釣りでも活躍します。
一方、ベイトロッドは糸の出し入れがしやすく、誘いがかけやすいのがメリット。船釣りでは変化のあるポイントに船を流すため遠投が必要な場面は少なく、ベイトリールでのキャストに慣れている人なら、ベイトロッドがオススメです。
代用竿
代用竿としてはカワハギ用の竿などが向いています。カワハギ竿には極端な先調子で穂先まで硬いものもありますが、キス釣りに流用する場合は食い込みや目感度を重視して、柔らかめのカワハギ竿が向きます。
また、一つテンヤロッドや、ティップランエギングロッド、竿の特性やオモリ負荷にもよりますがバスロッドなどのルアーロッドも代用できます。いずれにしても先調子で繊細な穂先がある竿が向いています。