アメリカ出身のアーティスト、Kenny Scharf(ケニー・シャーフ)氏が日本で約30年ぶりとなる新作個展「I’m Baaack」を開催。

6月10日(土)から東京・神宮前の「NANZUKA UNDERGROUND」と赤坂の「草月会館 草月プラザ」の2会場にて、シャーフ氏の迫力あふれるポップアートを目にできる。

ユニークなキャラクターとカラフルな画風で知られるシャーフ氏

シャーフ氏の作品の最大の特徴は、何と言ってもカラフルな色彩とオリジナリティあふれるキャラクターにある。

実はシャーフ氏は、「原始家族フリントストーン」や「宇宙家族ジェットソン」の大ファン。彼のキャラクターも、こうした漫画・アニメの引用から着想を得ている。

シャーフ氏のキャラクターは、宇宙人とも、巨大化した微生物とも、植物の妖怪のようにも見える。同氏によると、これらのキャラクターは彼自身や友人のメタファーであり、怒りや喜び、眠気、空腹といった、ごく自然な感情を表しているものなのだそう。

また、もう一つの同氏の作品の特徴として知られるカラフルな色彩も、人間の“あらゆる感情”を表現するもの。シャーフ氏の作品における動きとスピード感は、すなわち「生命感」を表しているのだ。

日本での個展「I’m Baaack」のために新作を制作

今回の個展「I’m Baaack」のためにシャーフ氏が描きあげた新作には、変幻自在に形を変え、飛び回ったり、動き回ったりする表情豊かなキャラクターたちが登場する。

作品を注意深く見ると、そこには日本語で「温暖化」「見えぬ道筋」「原告」「医療システム整備」といった言葉が。

シャーフ氏は、今回の個展にむけて日本語の新聞を集め、人々が現在向き合っているテーマに関するキーワードを画面の中に忍ばせた。若い頃にドラッグやエイズなどで多くの友人を失った経験を持つ同氏にとって、創作活動の背景にはあらゆる社会問題に対するメッセージがあるのだ。

日本初公開となるインスタレーションを発表

シャーフ氏は1981年に、使い古した玩具や家電といったファウンドオブジェクトとブラックライトを用いたインスタレーション「Cosmic Cavern」を発表した。

空間を丸ごとビビッドなネオン色に変換したこの作品は、シャーフ氏の芸術を象徴するシリーズとして現在も進化し続けている。同展でも、アップデートされた同氏のインスタレーションに注目だ。

世界的に活躍するシャーフ氏の作品を直接目にし、感性を磨いてみては。

ケニー・シャーフ個展「I’m Baaack」
神宮前
期間:6月10日(土)〜7月9日(日)※月・火曜は休業
開廊時間:11時〜19時
会場:NANZUKA UNDERGROUND
所在地:東京都渋谷区神宮前3丁目30-10

赤坂
期間:6月10日(土)〜30日(金)※日・月曜は休業
開廊時間:11時〜16時(金・土曜は17時まで)
会場:草月会館 草月プラザ
所在地:東京都港区赤坂7-2-21

(IKKI)