エンジニア兼コンテンツクリエイターのセルジー・ゴルディエフ氏は、「車輪は丸い」という常識を覆しました。

なんと、三角形の車輪を持つ自転車の開発に成功したのです。

彼は自身のYouTubeチャンネル「The Q」で、この自転車を作る方法を解説し、実際に乗って見せています。

ゴルディエフ氏によると、乗り心地は悪くなく、むしろ「快適です」とのこと。

三角形の車輪でも自転車は漕げるのか?

ゴルディエフ氏は、これまでにユニークな自転車を数多く作ってきました。

例えば、「半円の後輪を2つ持つ自転車」「四角形の車輪を持つ自転車」「空気を入れる必要のないエアレスタイヤの自転車」などです。

しかも単なる展示物ではなく、実際に自転車として使用できるものばかりです。

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そしてこの度、ゴルディエフ氏は新しい形状の車輪にチャレンジしました。

ゴルディエフ氏が開発した新しい自転車は「車輪が三角形」
Credit:The Q_who said wheels have to be round? this triangle-wheeled bike is just as functional(2023 designboom)

なんと三角形の車輪を持つ自転車を開発したのです。

そして動画には、この「三角形自転車」も他のユニークな自転車たちと同様、ゴルディエフ氏が乗って走行している姿が記録されています。

実際に走行する三角形自転車
Credit:The Q(YouTube)_車輪は丸くなければならないなんて誰が言ったのでしょう?(2023)

しかし、なぜこの車輪は三角形なのにスムーズに前進することができるのでしょうか?

その秘密の1つは、この三角形の形状にあります。

三角形なのに常に同じ幅で転がる「ルーローの三角形」

ここで利用されている理論が「ルーローの三角形」と呼ばる、正三角形の各辺を膨らませたような形状です。

(「ルーローの三角形」は曲線を持つため、正確には三角形ではありません。この記事では「ルーローの三角形」という名称から、ゴルディエフ氏が開発した自転車を「三角形自転車」と呼称します)

ルーローの三角形の各頂点を中心に円を描くと対角の辺と重なる
Credit:en.wikipedia

ルーローの三角形は、このように各頂点からコンパスで円を描くことで簡単に作ることが出来る図形です。

そしてこのようにして描かれたルーローの三角形は、転がしたときに常に幅が一定を保つ定幅図形と呼ばれる図形になるのです。

定幅図形は転がしたとき常に一定の幅で転がる
Credit:ナゾロジ―編集部

ただし、下の動画を見ると分かりますが、ルーローの三角形は高さが一定のまま転がることができますが、その際の重心(中心点)の位置は一定ではなくなります。

ルーローの三角形。高さが一定のまま転がることができる
Credit:(左)Wikipedia Commons_ルーローの三角形、 (右)Momet(Wikipedia)_ルーローの三角形

このため、単純に自転車の車輪をルーローの三角形に置き換えたとしても前進する度に車体ごと上下に動いてしまうのスムーズに移動することはできません。

そこでゴルディエフ氏は、車輪の上部が常に一定の高さを保つように押さえつける地面と平行なローラーを追加しました。

また各車輪の中心軸の部分を可動式にして、上下の動き(衝撃)を吸収できるようにしました。

車輪上部のローラーと可動式のフレームにより、車体の上下動を低減。
Credit:The Q_who said wheels have to be round? this triangle-wheeled bike is just as functional(2023 designboom)

これにより、平面の走行において車輪の高さが一定のまま、車体の上下動を最小限に抑えることに成功しました。

それでも三角形の車輪の回転は独特であり、動画を見る限りでは、乗り心地が良いものではなさそうです。

しかしゴルディエフ氏は、「三角形の車輪は快適です」と自信を持って紹介しており、実際に乗ってみると案外快適なのかもしれません。

普段使いは難しいですが、皆を驚かせてくれる楽しい発明だと言えるでしょう。

ゴルディエフ氏が生み出すユニークで遊び心に溢れる自転車を今後も楽しみにできます。

参考文献
who said wheels have to be round? this triangle-wheeled bike is just as functional