ケリー氏は、降板が発表された直後、視聴者の望みに対する「大規模な判断ミス」と批判していた。
降板および退局の理由は明らかにされていないが、発表は、2020年米大統領選の報道をめぐってFOXニュースを訴えた投票機メーカー「ドミニオン・ボーティング・システムズ」との和解成立から数日後のことだった。FOXは同社に7億8750万ドル(約1060億円)の和解金を支払うことに同意した。
ドミニオン社は、自社の投票機械がトランプ氏に不利になるように操作されているという虚偽の主張をFOXが広め、損害を受けたと非難。訴訟の過程で、カールソン氏の個人的な見解が、しばしば放送内容に反していたことを示すテキストメッセージも明かされた。
なおニューヨークタイムズは、FOXニュースの親会社FOXコーポレーションのルパート・マードック氏と息子ラクラン氏が解任に直接関与したと報じている。
これとは別に、カールソン氏は元番組プロデューサーの女性の訴訟にも直面している。原告のアニー・グロスバーグ氏は、先月ニューヨークの連邦裁判所に提出した訴状で、「下品な性差別的ステレオタイプに基づき、女性を従属させる職場環境」で労働を強いられたと主張した。被告人には、カールソン氏のほかに、FOXコーポレーションとFOXニュース、番組幹部が含まれている。
カールソン氏「真実は明らかに」
なおカールソン氏は26日、自身のツイッターを更新し、降板後初めて声明を発表。理由については触れなかったが、メディアや両政党に対する批判を展開した。
Good evening pic.twitter.com /SPrsYKWKCE
— Tucker Carlson (@TuckerCarlson) April 27, 2023
カールソン氏は、現在メディアで議論される内容は「信じられないほど愚か」「完全に見当違いで、全く意味をなさない」と批判。「戦争や市民の自由、信仰科学、人口動態の変化、企業の権力、天然資源」などのテーマを挙げ、両党とそのドナーの利益にならない内容について「会話を閉ざそうとしている」と指摘し、「真実は明らかになる」と締めくくった。
カールソン氏は弁護士を雇っているとも報じられており、法廷闘争に発展する可能性も指摘されている。