しかし、メンチカツが300円というのは、価格としては安いとは言えません。タイムセールといっても、安売りをしているわけではないのです。その時間にしか売っていない限定品が買えるのが魅力なのです。
通常販売しているものも、地方のスーパーとは思えない品ぞろえです。例えば、地元の宇宙ビールという、1本800円する高級クラフト缶ビールが当たり前のように置いてあったりします。
商品に対する熱い思いがこもったポップや、店長のマイクによる説明。他の無味乾燥なスーパーとは異なり、楽しくなる仕掛けがたくさんあるテーマパークのような雰囲気を感じました。
良いものを届けたい、利益を生産者にも還元したい。そんなお店の思いが、買い物客に上手に伝わり、売り上げがアップするという好循環が続いている。
別荘地という特殊事情はあるのかもしれませんが、人口5万人足らずの街で、このような経営が成り立つのは奇跡だと思いました。
いろいろ調べてみると、店長が経営を任された時は借金4億円で、店員40人のうち10人がやる気のないヤンキーだったそうです。そんな状況から、なぜこのようなユニークなお店が生まれたのか?どん底から立ち上がった経営手法にも大変興味を持ちました。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。