勝って兜の緒を締めよ

誰しもピンチの時は必死に努力する。転落してなるものかと頑張れる。問題は調子がいい時に慢心せず、謙虚さを維持し、周囲に対して感謝を忘れず、平時の時以上に気を引き締めて努力をするべきだと思っている。このことを示す言葉が勝って兜の緒を締めよである。

自分自身、去年くらいから過去の自分と比較して色々と調子がいいと感じている。もちろん、世の中には上には上がいることはよく理解しており、自分は成功者などとは微塵も思っていない。あくまで「自分史上そこそこ調子がいい」という程度の感覚に過ぎない。

だが、有頂天になるということは絶対にしない。なぜなら人生も仕事も何でもそうだが、上下する波と同じで調子がいいこともあれば、その逆に悪いことが続く局面もあると考えているからだ。いわば、一時的な成功など砂上の楼閣に過ぎず、どこかでまた調子が悪い時も必ずやってくると思っている。

重要なのはうまくいっている時に調子に乗って周囲からの信用を失ったり、ムダな散財という愚行をせず、逆に悪い局面がやってきても極端なマイナスを計上する事態を回避して局面を上手に守り切ることだと思っている。上手な波乗りができるためには、過去の成功体験などじゃまにしかならないのだ。本稿も現時点ではそこそこうまくいっていることが将来の自分に慢心を与えないために、「未来の自分への警告」として機能すると思っている。

「失敗から学べ」「失敗は経験だ」といった言葉は数多くある。だが、うまくいっている時にこそ注意を払えという提言は意外なほど少ない。成功体験は自信を与えてくれ、そういう意味で価値がある。だが新たなる挑戦をする上で足かせにしてもいけないのだ。

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