5月18日、ポルトガルの首都リスボンにて世界の要人が集う「ビルダーバーグ会議」が今年も開催された。

 ビルダーバーグ会議は参加者が一部の世界的有力者に限られた、完全非公開で行われる政治・経済等の「重要な問題について非公式に話し合う」会議だ。現在広島で開催されている先進7か国(G7)首脳会議(サミット)や世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)と類似の専門家会議である。

 参加者は政界、産業界、金融界、学界の著名人とされており、今年のビルダーバーグ会議には「23カ国から約130人が参加する」という。以前からビルダーバーグ会議に出席できるのは白人エスタブリッシュメント層に限られるという噂があるが、今回は何人かアフリカ系やアジア系の人物も参加している。とはいえ彼らが拠点としているのはイギリスであったりアメリカであったりして、東アジア、東南アジア、南アジアの国からの直接参加はない。トルコからの参加者は複数いるが、これはヨーロッパとアジアのギリギリの境界線だ。

 中国系と思われる参加者のJing Tsu氏も米東海岸のエスタブリッシュメント層が通うイェール大学の比較文学教授だ。イェール大学といえば東部エスタブリッシュメント層の代表格であるブッシュ親子の出身大学でもある。

 ビルダーバーグ会議は報道機関による取材の一切が認められておらず、徹底した秘密主義から陰謀論の分野では「影の世界政府」や世界の行く先を決めるために様々な謀略が渦巻いているといわれることもある。一方で主催者側はマスコミをシャットアウトしていることから、さまざまな題材について忌憚のない意見を出し合い、自由に討論できると主張している。

 一方でビルダーバーグ会議側もはプレスリリースにて今年の出席者リストと年間アジェンダの概要を公開しているため、そこから一堂に会した権力者たちが何を考えているのかを垣間見ることができる。

 今回の参加者の中で注目されるのは、現アメリカ国家情報長官であるアブリル・ヘインズ氏、元グーグルCEOのエリック・シュミット氏、そしてOpenAI CEOのサム・アルトマン氏だ。この人選から、今年のビルダーバーグ会議の議題の一つに「人工知能(AI)」も挙がった。確かにAI関連技術はここ最近大きく発展し、世界中で注目を集めている新興技術分野であることから、会議に集まった権力者たちにとっても一大関心事であることが伺える。このほか注目されている地域としては中国、インド、ロシア、ウクライナ等が上がっており、「エネルギー転換」や「財政問題」、「国境を越えた脅威」などが議題として取り上げられた。

 一体どんな議論がなされるのか気になるところだが、会話の内容は参加者だけの秘密となっている。今後の世界の動きを見ていくことで、ビルダーバーグ会議での内容が徐々に浮き彫りになってくるのかもしれない。

ビルダーバーグ会議2023議題一覧

2023年5月18~21日ポルトガル・リスボン
AI(人工知能)
Banking System(銀行制度)
China(中国)
Energy Transition(エネルギー転換)
Europe(欧州)
Fiscal Challenges(財政課題)
India(インド)
Industrial Policy and Trade(産業政策と貿易)
NATO(北大西洋条約機構)
Russia(ロシア)
Transnational Threats(超国家的脅威)
Ukraine(ウクライナ)
US Leadership(米国のリーダーシップ)

参考:「Coast to Coast AM」ほか

【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

2023年のビルダーバーグ会議が開催される! “闇の政府”による13のアジェンダとは?
(画像=『TOCANA』より 引用)

文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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