5月3日(水・祝)に東京・北とぴあで『第31回東京ノービスボディビル選手権大会』(以下、東京ノービス)が開催され、薄皮一枚バリバリの絞りをみせた板橋秀明選手(54)がボディビル50歳以上級で優勝した。
東京ノービスは日本のボディビルシーズンの開幕を告げる大会で、元々は「新人戦」としてその歴史をスタートさせたが、徐々にレベルが高くなり、今となっては「もはや新人戦ではない」と言われるようになっている。
「狙ってはいましたが、実際に優勝できてうれしいです」 板橋選手はバックステージで喜びをあらわにした。
薄皮一枚までバリバリに絞った板橋選手だったが、競技を始めたのは50歳になってからというから驚きだ。 「28歳からずっと空手をしていました。子どもが生まれたタイミングで、お小遣いを減らされてしまい、お金のかからない趣味として空手に打ち込みました。空手では黒帯取得、極真祭では準優勝することもありました。そして、40代後半の頃に空手仲間がメンズフィジークに出場し始めて、『自分も出場しよう』と50歳になったときに初めてボディコンテストに出ました」
メンズフィジークでは昨年湘南オープンで優勝した板橋選手は、「ボディビルのほうが向いていますよ」というジムのトレーナーからのアドバイスを受けて、東京ノービスにボディビルで出場することを決めたという。 「ボディビルではデビュー戦で優勝することができ、今後はボディビルとメンズフィジークの二刀流で頑張っていきたいです」
トレーニングは1回1~2時間半、1日2回ダブルスプリットで行う日もあり、4月は月38回もトレーニングを行った板橋さん。 「仕事が公務員で残業も少ないので、予定を立てやすいです。仕事が終わってからトレーニングをするのが日課になっています」
板橋選手がボディビル競技に熱を入れる理由の一つに息子の存在がある。 「息子が体操選手として日本のトップクラスで活躍しています。5月のNHK杯、6月の全日本種目別(吊り輪)で上位を狙う息子に負けたくないので、自分も頑張ります」
東京都ボディビル・フィットネス連盟の次なる大会は6月24日(土)の、東京ノービスよりもレベルが高い『東京クラス別ボディビル選手権大会』。月38回と驚異的なトレーニング頻度で肉体を進化させていく板橋選手も出場予定で、レベルアップした舞台での姿が楽しみだ。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介