三越伊勢丹ホールディングスの2023年3月決算が5月9日に発表になった。それによると主な決算数字は以下の通り。


・売上高:4874億700万円(前年比+16.5%)
・営業利益:296億600万円(同+398.4%)
・経常利益:300億1700万円(同+215.3%)
・親会社株主に帰属する当期純利益:323億7700万円(同+162.4%)


大幅な増収で、利益はそれぞれ4.9倍、3.1倍、2.6倍になるというコロナ禍でのウップンを晴らすような、驚異的決算になった。


第3四半期(2月3日発表)時に上方修正した時の業績予想では、それぞれ4900億円、260億円、260億円、255億円だったから、売上高は26億円ほど下回ったが利益はいずれも大きく上回った。年間配当も2022年3月期の10円(中間期5円、期末5円)から14円(中間期6円、期末8円)へ大幅な増配。さらに今期は16円(中間期8円、期末8円)を予定している。
これを機に最近6年間の同社の決算を振り返ってみよう。1億円以下は切り捨てている。


2018年3月期:売上高1兆2688億円、営業利益244億円、経常利益273億円、最終利益-9億円、配当12円
2019年3月期:売上高1兆1968億円、営業利益292億円、経常利益319億円、最終利益134億円、配当12円
2020年3月期:売上高1兆1191億円、営業利益156億円、経常利益197億円、最終利益-118億円、配当12円
2021年3月期:売上高8160億円、営業利益-209億円、経常利益-171億円、最終利益-410億円、配当9円
2022年3月期:売上高4183億円、営業利益59億円、経常利益95億円、最終利益123億円、配当10円
2023年3月期:売上高4874億円、営業利益296億円、経常利益300億円、最終利益323億円、配当14円


2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」等を採用しているため売上高は大きく減っているように見えるが、2023年3月期においては、コロナ禍前の2019年3月期の利益水準にほぼ復帰しているのが分かる。とくに今年に入ってからの売り上げが急激に回復しており、2022年度(2022年4月1日〜2023年3月31日)過去最高の売り上げ(3276億円)を記録した伊勢丹新宿本店を始めとして、総額売上高は1兆円を回復。富裕層を中心に国内消費の力強さに加え、免税売上高の回復もあり大幅な増収と経費構造改革の両面による営業利益も300億円に迫る水準になった。


2024年3月期は、売上高5100億円(前年比+4.6%)、営業利益350億円(同+18.2%)、経常利益370億円(同+23.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益280億円(同-13.5%)を予定している。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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