ウクライナのゼレンスキー大統領が広島に来るらしいが、途中でサウジアラビアを電撃訪問して、アラブ連盟首脳会議に出席して演説するらしい。
会議を主催しているのは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子である。シリアのアサド大統領が復帰するのが今回の目玉だったが、主役を奪われた形だ。もっとも、アラブ諸国は必ずしもウクライナに好意的でないから、アウェーの会議でゼレンスキーの神通力が通じるかは分からない。

令和5年3月、ウクライナを訪問した岸田首相と会談するゼレンスキー大統領首相官邸HPより
ゼレンスキーは、2014年にロシアに併合されたクリミア半島にある「ウクライナのイスラム教徒コミュニティーの保護」を訴えるらしい。
そもそも、クリミア半島には、キプチャク汗国の残党のイスラム教国クリミア汗国があったのだが、18世紀のエカテリーナ二世がこれを滅ぼしてロシアに組み込んだ。クリニア汗国のイスラム教徒たちは、残留していたが、大戦末期にナチスに協力したとして中央アジアに移住させられ、一部は戻ってクリミアで少数民族になっている。
彼らは、ロシアの支配は嫌っているから、これを保護し、権利を拡大するとするとウクライナはいっているわけである。