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サンルーフが高額になってしまう理由とは?
サンルーフ装着車のリセールはどう?
サンルーフが高額になってしまう理由とは?

さらにサンルーフの現状について、前出の販売担当者はこう話してくれました。
「サンルーフを取り付ける車は、強度を高める必要があります。サンルーフは後付けも難しく、製造段階で取り付けるためのコストがかかるため、車体そのものの車両本体価格の上昇につながってしまうのです。」
車のボディ形状でいえば、ミニバンなどの室内空間の広い車種は、必ずといっていいほどサンルーフの取り付けが可能でした。しかし、2022年5月に発売されたホンダ ステップワゴンや、同年12月に発売された日産 セレナはともにサンルーフのオプション設定がありません。
こうした点について、前述の担当者は次のように話します。
「サンルーフは、取り付けて終わりという単純な装備品ではなく、車体構造そのものに影響を及ぼすオプション品です。そのため、コストや需要の観点から、廃止するというのはやむを得ないと思います。
当社でも、サンルーフを希望されるお客様はかなり少なくなっています。サンルーフのオプション設定がある車種でも、購入費用を抑えたいとの理由で、取り付けしないお客様が増えています。」
さらに、サンルーフを取り付けると新車の納期が伸びてしまうこともあります。
「例えば、当社で販売している、サンルーフを取り付けできる車の場合、サンルーフのない車では納車まで4ヶ月ほどかかりますが、サンルーフを付けると、さらに4~5ヶ月ほどかかってしまうことも過去にありました。そのため、サンルーフの取り付けをあきらめるお客様もいます。」
なお、サンルーフの後付けは可能なのか調べたところ、国内の正規自動車メーカーではほぼNGでした。
また、起震車などの特装車の製作を手掛ける民間業者に聞いたところ、「車種によっては対応可能な場合はあります。純正部品が存在していれば取り寄せて取り付けられますが、純正部品がなければかなり難しいでしょう。車種ごとに個別の見積もりなので、一概に価格は言えませんが。」という回答でした。
サンルーフの後付けを専門に行っている会社では、10~20万円前後で取り付けられることもあるようですが、純正サンルーフオプション価格とほぼ同じと考えると、後付けするメリットは少ないかもしれません。
サンルーフ装着車のリセールはどう?

高額なオプションのサンルーフですが、リセール時にメリットはあるのでしょうか?
比較的年式が新しい車種の場合、同じ年式、ほぼ同じ走行距離でも、純正サンルーフ付きの方が高値で販売されています。例えば、ホンダ アコードやトヨタ ハリアーなどは数万円から20万円前後高く売られています。
純正のサンルーフが付いていると、リセールバリューは良くなる傾向にあるようです。
ただし、古い車種の場合は、サンルーフの有無はあまり影響がないと思われます。筆者がかつて所有していたトヨタ チェイサーには純正サンルーフが付いていましたが、2023年の中古車市場では数万円の差しかありませんでした。
一方、中古車買取業を営む自動車販売会社社長に話を聞いたところ、純正品ではないサンルーフを取り付けた車種のリセールはさほどよくないとのこと。
「以前、サンルーフを後付けしたジムニーを買い取った経験がありますが、買取価格はサンルーフのない車の買い取り相場とあまり変わらない値付けをしました」
純正品ではないサンルーフの場合、その後のメンテナンスなどに不安があり、毛嫌いしている人も少なくないといいます。もちろん、取り付け業者のメンテナンスを受けることはできますが、近くに取り付け業者の会社がなければ、遠方に出向く必要があり、かなりの手間となります。
サンルーフ付きの車は、一度乗るとその開放感にやみつきになる人が多いはず。サンルーフ付きの車に乗りたいのなら、純正品としてサンルーフを選択できる車種を検討するか、中古車の購入も視野に入れて車を探すことをおすすめします。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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