インドはそもそも、武器を購入するなど、ロシアとは親密な関係にある。そのような関係がありながら、「反対ではなく棄権でおさまっていることを、もっと評価してもいい」と大庭さんは言う。なるほど、「棄権」というのは、インドにとっては、精一杯の抗議ということなのだろう。

そんな「グローバルサウス」の国々に対して、日本はどのような関係を築いていけばよいのか。大問題である。まずは広島サミット開催が、5月19日に迫っている。

細谷さんは「サミットで重要なのは、G7だけで決めているんじゃないというアピールです。キーになるのはやはりインド。G7の議長国日本と、G20の議長国であるインドが連携する、これが日本の戦略の中核です」と言う。

岸田首相に、重要な「橋渡し」ができるのか。注目したい。

編集部より:この記事は「田原総一朗 公式ブログ」2023年5月12日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。