サッカーの試合中、危険なプレーを行った選手に対して、審判によりイエローカードやレッドカードが出されることは周知の事実ですが、これに続く第三のカード、「グリーンカード」があることをご存じでしょうか?
初めて知った、という方もきっと多いことでしょう。なぜならばこのカードは国内では12歳以下の試合において出されるカード。お子さんがサッカーをしているママパパにとっては、お馴染みかもしれません。
■ グリーンカードはフェアプレー精神の証
では、このグリーンカード、どういった時に出されるのかというと、試合中負傷した相手に肩を貸したり、競り合いの中ボールがラインを割り、判定がきわどい際に自己申告をするなど、思いやりや正しさへの気持ちが見られた際。当該選手に対して、フェアプレー精神を称えるためにカードが掲示されます。
サッカーのシーンの内、接触していないのに大袈裟に転んで見せたり、相手のユニフォームをバレないように引っ張ったり等、いわゆる「マリーシア」と呼ばれる行為が技術の一部として常態化していますが、本来のルールに則るのであれば、こうした行為はとても推奨出来るものではありません。
特に、子どもたちが行う競技の場合は、試合の勝ち負け以上に、チームプレーの大切さや対戦相手への敬意など、人道教育的な側面を持っています。そこで、日本サッカー協会が2004年度から導入したのがこのグリーンカードなのです。
■ グリーンカードの効果は……特になし
では、試合中グリーンカードが出された場合、どのようなことが起きるのかと言うと……特に何かが有利になるということはありません。あくまで、試合中の行動を称える、という意味合いを持つことのみに留められているようです。
人によっては「じゃあ意味ないじゃん」と考えてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。特に子どもたちにとっては、プレーを褒めたり、良い行いを認めてあげることは、競技への向き合い方や、人格形成においてとても重要な役割を果たすように感じます。
この考えはプロサッカーのシーンにも反映されており、グリーンカード自体が掲示されることはないものの、Jリーグではクラブ単位で「フェアプレー賞」が設けられていたり、ワールドカップなどの国際大会においても「フェアプレイポイント」が採用されていたり等、警告数が少ないチームが優位になるよう、ルールが新設されるといったケースも。よりクリーンな振る舞いが求められるようになってきているのです。