ゴールドウインの2023年3月期決算が5月12日午前10時に発表になった。主要数字は以下の通りだ。

売上高:1150億5200万円(前年比+17.1%)
営業利益:219億400万円(同+32.7%)
経常利益:280億円8300万円(同+38.4%)
親会社株主に帰属する当期純利益:209億7700万円

年間売上高が初めて1000億円を突破し、利益はすべての段階で史上最高を達成した。「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」を始めとしたブランドビジネスの好調、また従来の韓国、中国中心の海外事業が東南アジアや欧米に拡大したことも増収増益に貢献した。1株当たりの配当は110円(前年85円)。

2024年3月期は、売上高1230億円(前年比+6.9%)、営業利益226億円(同+3.2%)、経常利益282億円(同+0.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益217億円(同+3.4%)。配当は1株当たり115円を予定。

かなり控え目の数字だ。このため驚異的な好決算であるにもかかわらず株価はさほど上がらなかった。

売上高では、ミズノ(2022年3月期決算1727億4400万円)、デサント(2022年3月期決算1088億9200万円)の後塵を拝している。しかし利益部門については、ミズノ2022年3月期営業利益98億7400万円、デサント2022年3月期営業利益51億3800万円と比較して大きく水を開けてダントツの存在になっている。

ゴールドウインのコロナ禍以降の5年間の業績を以下に振り返ってみた。

1億円未満切り捨てで売上高 / 営業利益 / 経常利益 / 親会社株主に帰属する当期純利益 / 配当の順に記している。

2020年3月期:978億円 / 174億円 / 163億円 / 107億円 / 75円
2021年3月期:904億円 / 148億円 / 159億円 / 107億円 / 70円
2022年3月期:982億円 / 165億円 / 202億円 / 143億円 / 85円
2023年3月期:1150億円 / 219億円 / 280億円 / 209億円 / 110円

ゴールドウインは「ザ・ノース・フェイス」の日本での商標権を1994年に買い取っているが、いまやゴールドウインの屋台骨を支える巨大な存在になっている。このポスト「ザ・ノース・フェイス」が今後の課題になりそうだ。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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