恐怖に支配された暗黒時代

取り出した心臓を焼く作業は家族の責任だったというから、あまりに惨たらしい。ニューイングランドの、特にコネチカット州やロードアイランド州の僻地では、こうした例が80件も報告されているそうだ。

当時は、結核の蔓延にヴァンパイア信仰が結びつき、このような凄惨な儀式がまかり通っていたのかもしれない。無知とは恐ろしい。

正体がわかったジョン老人だが、おそらく働きづめの農民だったと推測される。首を骨折した痕があるものの、治療はされないまま。長年の重労働から晩年は膝の関節炎を患い、脚を引きずっていたようだ。

下中流階級に属し、結核が命取りになったようだが、肋骨に残る痛々しい傷跡は彼の最期がどれほど壮絶だったかを物語っている。

200年前の「ヴァンパイア」は親族にとどめを刺された? 骨に刻まれた謎の文字「JB55」とは?
(画像=画像は「Smithsonian.com」より引用、『TOCANA』より引用)

1700年代~1800年代初頭のアメリカでは、結核は吸血鬼と同様に説明のつかない恐ろしい現象だったのだろう。「恐怖」という最も原始的な感情に支配された暗黒の時代に、暮らした人々の一生とはいかなるものだったか――ジョン爺さんの永遠の眠りが、二度と妨げられませんように。

参考:「Science Alert」、「Smithsonian.com」、ほか

文=佐藤Kay

提供元・TOCANA

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