2003年以来、ベントレーのフラッグシップモデル、そしてブランドを支えてきたW12エンジンを記念して、限定モデルの「スピードエディション12」が製作された。

ベントレーが「現代において最も成功した」と表現し、2024年4月に生産終了する12気筒エンジン。スピードエディション12は、並外れたエンジニアリングの功績に別れを告げるのにふさわしいモデルだという。

W12エンジン搭載「スピードエディション12」

2003年、ベントレーのW12エンジンは、フォルクスワーゲングループ傘下となって初めてのオールニューモデルである「コンチネンタルGT」のパワートレインとして新時代を告げた。

6.0リッターツインターボW12エンジンは、独自のWフォルムにより同等のV12エンジンよりも24%短いボディを実現。その後も継続的な進化により、出力37%、トルクは54%向上し、排出ガスも25%削減された。

スピードエディション12モデルでは最高出力659PS/5000-6000rpmを発揮。トルク波形はわずか1500rpmで900Nmのピークに達し、5000rpmまでそのまま維持される。

多くの特別なデザインが施される限定モデル

エディション12パッケージには、スピードシリーズのベンテイガ、フライングスパー、コンチネンタルGT、コンチネンタルGTコンバーチブルをベースにしながら、特別なデザインが施される。

オプションで選択できる新色オパライトは明るいグレーグリーンで、日差しに照らされるとわずかに銅色に輝く。

外観上の特徴は控えめながら、わかる人には一目でそれとわかるよう吟味された。

特徴的なディテールとして、他のベントレーモデルにはないシルバーのブレーキキャリパーや、エディション12のバッジ。

ボンネットを開けるとエンジンカバーにエディション12のシリアルナンバー入りのプレートが掲げられているほか、ブラックラインスペシフィケーションのエクステリアブライトウェア、22インチのブラックペイントのスピードアロイホイール、セルフレベリングホイールバッジを装備。

インテリアには手作業のクラフトマンシップが光る。エディション12のウェルカムランプとイルミネーテッドトレッドプレートが、ドライバーと同乗者を迎え入れる。

インテリアのメインカラーはベルーガブラックで、1色で統一することも、ブルネルブルー、クリケットボールレッド、リネン、オレンジでアクセントを利かせることも可能。いずれの場合も、パネルは光沢のあるグランドブラックだ。

限定車ならではの特徴として、シートにはマリナーシルバーのパイピングとエディション12の刺繍が施される。

シート上部はキルティング加工され、アンスラサイトからポーポイズ、ストラトスへグラデーションとなるコントラストステッチが施されている。ドアパネルも同じくキルティング加工され、コントラストステッチが施される。

オルガンストップエアベントは、無垢材から削り出した数字「12」を配したユニークなデザインだ。助手席のグランドブラックパネルのフェイシアには、W12エンジンの始動のシークエンスとスピードエディション12のバッジが刻まれている。