工業製品が生み出される現場には、たくさんの「商品にならず捨てられる素材」が存在する。

製品のアップサイクルに取り組む手染めレザーブランド「yuhaku(ユハク)」がアーティストHayato Teraguchi氏とコラボレーション。

旗艦店Ginza Galleryにて5月17日(水)~5月30日(火)の期間、個展「Hayato Teraguchi 1993.05.20 -Beyond the Waste-」を開催し、革の端材やデッドストックをアップサイクルした作品を展示・販売する。

職人による手染めレザーブランド「yuhaku」

yuhakuは色彩豊かな革小物やバッグ、ベルトを手掛ける日本のレザーブランドだ。神奈川、東京、愛知、大阪に直営店をもち、約20工程に及ぶ職人の手仕事で染め上げた革製品を扱う。

「命をいただく感謝」を作品に込め、端材を活用したサステナブルアートを展開。厳しい目で高品質な製品を生み出す一方、革の端材や検品基準に満たなかった製品のアップサイクルにも取り組んでいる。

アーティストとも積極的にコラボし、端材や難あり製品をアート作品や1点モノアイテムとして展示・販売する。

2022年1月に始動した「Ginza Gallery Project」では、店舗内展示スペースをアーティストへ無料で貸し出す。出展費用や販売時の利益分配をなくし、アーティストの創作活動を支援するアートプロジェクトだ。

会場となる「yuhaku Ginza Gallery」は、2020年12月に銀座にオープンした旗艦店。yuhaku製品のほか、代表・仲垣友博氏によるレザーアートや、書家・杉田廣貴氏とのコラボアイテムなど、革のアート性を追求した作品を多数展示・販売する。

気鋭のアーティスト、Hayato Teraguchi氏

今回、作品を展示するHayato Teraguchi氏は、ミュージシャンから画家に転身し、2021年10月に初の個展を開催した気鋭のアーティスト。

“内なる自分”をテーマに、仏教から得たインスピレーションを、廃材などを用いた立体作品や平面で表現する。臨場感あふれるライブペイントや、ブラックライトを駆使した表現が特徴だ。

活動のなかで作品が立体的になり、キャンバスから逸脱していく過程で、端材や廃材を組み合わせていくスタイルになったというTeraguchi氏。

図らずも今回のコラボレーションは、Teraguchi氏が表現を模索し、廃材や端材を使用する方向性に固まってきたなかでの企画であり、自身の作風の拡張にも繋がったという。

入場は無料。革製品のアップサイクルに思いを馳せるのもよいし、ただ純粋にアートとして楽しむのもよい。銀座で過ごす一日、立ち寄り先としていかがだろうか。

個展「Hayato Teraguchi 1993.05.20 -Beyond the Waste-」
会期:5月17日(水)~5月30日(火)
会場:yuhaku Ginza Gallery
所在地:東京都中央区銀座三丁目10番7号 銀座京屋ビル1階
営業時間:11:00~14:00、15:00~19:00(平日14:00~15:00はクローズ)
入場料:無料

(SAYA)