ゴールドジムアドバンストレーナーでボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がトレーニングをひも解いていくIRONMAN誌の人気連載『トレーニングアップデート術』から、1分で読めるトレーニングワンポイント解説を紹介するこのコーナー。テーマはマシンの使い分け方。今回はフリーウエイトとマシンの違いについて。

【筋トレ1分コラム】フリーウエイトとマシンって何が違うの?ボディビル世界王者の1分解説
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

マシンとフリーウエイトの違いを考えてみます。

ダンベルやバーベルなどを用いたフリーウエイトのトレーニングでは、重力の関係で負荷が鉛直方向に働きます。ベンチプレスもスクワットも、地面に対して真上の方向に、100㎏のバーベルならば初動でも終動でも一定して100㎏の負荷がかかります。

しかし、フリーウエイトでは初動である程度の勢いを使って挙げることになりそれによって終動でギュッと絞り込むように力を発揮することが難しくなります。

また、フリーウエイトは鉛直方向には一定の負荷がかかりますが、横方向への負荷は弱くなります。アームカールやレッグカールなど、巻き込むような動作をフリーウエイトで行うと終動の刺激は弱くなってしまいます。

さらに、フリーウエイトではスティッキングポイントがブレーキとなり、対象筋に対する負荷を逃がしてしまうケースもあります。スティッキングポイントとは動作中に最も筋力発揮が弱くなるポイントで、例えばベンチプレスなどではスティッキングポイントで押し切ることができずに潰れてしまうことがあります。

筋線維の力の発揮では初動で遅筋、終動で速筋が働くと言われており、終動で押し込めないと筋肥大に重要な刺激を逃してしまいます。

そうしたフリーウエイトでは補えない部分を鍛えるために開発されたのがマシンです。

鈴木 雅(すずき・まさし) 1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。

取材:藤本かずまさ 構成:FITNESS LOVE 撮影:北岡一浩