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2023年4月から自転車利用時のヘルメット着用が”努力義務”に

「努力義務」と「義務」の違いは?自転車ヘルメット着用規定からみる道路交通法
(画像=©️Rethea B/peopleimages.com/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

2023年の4月1日より、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化され、話題を呼んでいます。

以前は、『13歳未満の子どもが自転車に乗る際、保護責任者がヘルメットを着用させるよう努めなければならない』という内容でしたが、今回の改正道路交通法により、”全ての自転車利用者”が対象となりました。

今回の改正で注目を集めているのは、”努力義務”という点。道路交通法における「努力義務」とは一体何なのでしょうか?「義務」と比較しながら、その内容について確認してみましょう。

道路交通法の「努力義務」って一体何?

「努力義務」と「義務」の違いは?自転車ヘルメット着用規定からみる道路交通法
(画像=©️Maksym Yemelyanov/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

努力義務とは、「〜するよう努めなければならない」「〜するよう努めるものとする」といった内容で記載されている規定のこと。

対して、義務は「必ず〜を行わなければならない」「〜してはならない」などと記載されています。

義務は”必ず守る”決まり事であるため、強制力を伴い、罰則が設けられていますが、努力義務は、”できる限り守る”という決まり事のため、法的拘束力や罰則はありません。

つまり、簡単にいえば「努力義務=罰則のない決まり事」ということになります。

ただし、法的拘束力や罰則がないからといって、その決まり事を疎かにしてもよいというわけではありません。たとえ努力義務であっても、損害賠償請求の根拠となる場合や、将来的に「義務」へ変更されることもあります。