エイリアン・アブダクション体験の代表として、宇宙人に誘拐され、UFOの中に連れ込まれたというエピソードは古くから各地で伝承されている。ある意味で、われわれ人類の共通認識さえも形成している一方で、どのようにして? 何のために? など、その実態はいまだに数多くの謎に包まれている。
ところが2021年、エイリアンとの遭遇が、明晰夢の中で起きている可能性を示唆する研究結果が報告され、世間に大きな衝撃が走った。とある科学者は、アブダクティーの体験談が”明晰夢を見ているときの睡眠麻痺の体験”に類似している点に着目。自覚的に明晰夢を見ることができる152人を対象に「明晰夢を見ている間、エイリアンとの接触を試みてほしい」と依頼したところ、なんと7割以上の人々が、実際にエイリアンとコミュニケーションを取ることに成功したという。この前代未聞の実験について、当時の記事を再掲する。
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※ こちらの記事は2021年8月3日の記事を再掲しています。
最先端の科学研究で興味深い実験が行われている。明晰夢を見ながらエイリアンに接触するという前代未聞の実験だ――。
明晰夢の中でエイリアンに遭遇する実験
宇宙人に誘拐され、UFOの中に連れ込まれたというエイリアン・アブダクション体験を語る“アブダクティー”は少なくない。そもそもエイリアンとUFOに出会うこと(Alien and UFO encounters、AUE)は何世紀にもわたって人類の文化に普遍的に伝承されている現象なのだが、われわれはまだその性質がよくわかっていない。
彼らの話を注意深く分析した科学者は、エイリアン・アブダクション体験は明晰夢(lucid dreams)を見ている時の睡眠麻痺(sleep paralysis)の体験に近いのではないかと考えた。

明晰夢とは自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことであり、明晰夢を見ることに熟達した者のなかには、見ている明晰夢の内容をコントロールできると主張する人々もいる。
また、いわゆる“金縛り”で、身体が眠っているのに脳だけが目覚めている状態で、不安と恐怖に包まれたり、身体が宙に浮く感覚を睡眠麻痺で味わうケースもある。一説では、体外離脱体験もまたこの睡眠麻痺が引き起こしているともいう。
そして、このような明晰夢や金縛り、体外離脱などは解離性レム睡眠状態(dissociative REM sleep state)と総称されている。
明晰夢や金縛りなどの調査を専門とするロシア・モスクワのフェーズリサーチセンター(Phase Research Center)の研究チームが先頃発表した研究では、明晰夢がエイリアンとの接触を可能にするツールとして使われた。いったいどういうことなのか。