De Rijke & Co.(デ・ライク・アンド・カンパニー)はオランダ南西部のドルトレヒトを拠点とする、日本未上陸のマイクロウオッチブランドだ。機械式時計にこだわったコレクションを数量限定で製造しており、時計や部品のほとんどは、小さな自社アトリエで設計・製造している。 伝統的な機械や工具を使用し、装飾的なデザインではないため、一見するとシンプルだが、ひとつひとつ手作業で組み立てて製造が行われているため、細部を見ると本格時計として満足感の高い仕上がりとなっている。
デ・ライク・アンド・カンパニーはデザインエンジニアである、ローレンス・デ・ライクによって設立された。彼はクラシックカー、冒険、そして時計に情熱を注いでいる人物であり、自身の時計会社を創設前には、有名なベスパとランチアのレストア会社で働きながら、機械的なスキルを磨いた経験を持つ。
彼の人生を変えたのは2013年の旅だった。1960年代のベスパで行った古代シルクロードのロードトリップで、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスなど、1万1000キロを走破。道中、ローレンスは黒海に面したジョージアの蚤の市で機械式時計を購入している。 この機械式時計をベスパに装着して旅の相棒としたのだが、 ローレンスはロングライディング時、時計の視認性に限界があることを感じ、この経験がローレンスの次の冒険、すなわちドライバーのための機械式時計の開発への意欲を高めることになった。
会社創設前、ローレンスはオランダ人デザイナー、ブルーノ・ニーナバー・ファン・エイベン氏の指導の下、時計デザインと時計製造の細かい点を学び、デ・ライク・アンド・カンパニーの最初のシリーズとして、イタリア南部の美しい海岸線にちなんだアマルフィ・シリーズを発表する。このシリーズは週末クラシックカーでドライブするのが好きな、紳士のためにデザインされたもので、用途に合わせケースを最大90度回転できることにより、視認性が上がる個性的なケース構造を採用している。ラグケースはケースフロントとケースバックの間に挟まれており、ラグケースにはリューズを回転させるための溝がある構造となっているのだ。車を運転する際は、ケースを45度回転させるによって運転中の視認性が高められるそうだ。今回はデ・ライク・アンド・カンパニーから2つのモデルを紹介する。