高級腕時計はコンパクトで高価格ですから持ち運びしやすい資産です。また、世界各地で資産価値が認められており、換金可能です(シリアル番号がありますから盗品の交換は簡単ではありませんが・・・)。また将来の価値が劣化しにくい点も評価されています。
今回の事件が示しているのは「ロレックスの貨幣化」ではないかと思います。ロレックスというブランドが、法定通貨と同様の色褪せない価値を持っていることが示されたのです。
私はアンティークロレックスを資産として集めていますが、トレーディングカードやアンティークコインなどの実物資産も、ロレックスと良く似ています。これらの資産も法定通貨に代替するポテンシャルを持っています。
インフレによってドル、ユーロ、円といった法定通貨の価値が低下すればするほど、これらの実物資産の価値が相対的に高く評価されることになります。
法定通貨よりも実物資産の方が資産としての信頼が高くなっていく。
今回の事件は単なる強盗事件というだけではなく、法定通貨の「終わりのはじまり」を暗示する出来事と捉えています。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。