BBCの中継は見事だったが、外国人への配慮が映像でも解説でも希薄。私の本『英国王室と日本人:華麗なるロイヤルファミリーの物語』(小学館 八幡和郎・篠塚隆)でも読んで予習された方にはわかるだろうが、外国人には、また、おそらく英国庶民にとってはちんぷんかんぷんだったのでは。外国向けと音声は分けた方がよかった。

それから、外国からの賓客をほとんど映したりしなかったのは、ちょっと失礼。イギリスの元首相らが入場するところまでは中継したが、日本をはじめ各国王族が入場するタイミングでは、国王夫妻が宮殿を出発したので、そっちの中継になって外国賓客の入場は中継されず。せめて、小窓くらいで紹介すべきだ。

日本からは、秋篠宮皇嗣殿下妃殿下が参列。今回は第一礼服でないので、秋篠宮殿下は燕尾服でなくモーニング。勲章をほかの王族はつけていたのに、殿下はつけておられなかったが、どうしたのだろうか?

紀子様は、「薄紅色に松竹梅の縁起のよい文様の訪問着、七宝柄の吉祥を表す品格溢れる帯、お履物も4枚芯のゴールドで晴れの日にふさわしい草履」と高清水有子さんは解説。

秋篠宮ご夫妻 NHKより

皇室の公式行事では、洋装になっているので、国内の公式行事では和服はあまりないのだが、海外では国内の行事の規定には縛られないはずだから、もっと着物を着られてもいいかと思う。ただ、第一礼装のときにも訪問着でいいかは知らない。

いずれにせよ、皇后陛下が和服をあまりお好みでないので紀子様に頑張ってもらって美智子様を引き継いで和服文化を世界に広めてもらうことも大事だ。皇后陛下は、和服は苦手なら無理をされることはない。西洋の華やかなファッションを極めてもらえばいい役割分担になると割り切るべき。

いずれにせよ、エリザベス女王葬儀のときに皇后陛下が正式レセプションを欠席されたのは、残念だったが、今回は妃殿下も出席できたし、和服も良い感じに絵になっていたので、皇嗣殿下ご夫妻の派遣は正解だったようだ。

いずれにせよ、皇后陛下の体調からして、平成の時代に比べて皇室外交はかなり削減せざるをえないのは現実なのだから、その状況を国民にも海外にもきちんと説明して、皇嗣殿下ご夫妻との役割分担、陛下単独での皇室外交のときにどういうスタイルを取るかなど工夫をすることが、皇室外交のためにも、皇后陛下に無理をお願いして、ご負担をかけないためにも必要だと私はかねがねいってきた。