脳梗塞と心筋梗塞の発症は、ワクチン接種後7日以内に集中しています。したがって、リスク期間を接種後0~7日に設定すれば、有意差が認められる可能性は十分にあります。ただし、報告バイアスの問題があるため立証できたとは言えません。立証のためには、米VSDのような極力バイアスを排除してデータ収集できるシステムが必要です。
CDCの隠蔽疑惑については、以前に発表した論文においても指摘しました。ASA声明 では、「科学的推定のためには実施されたすべての統計解析の結果が公表されるべき」としています。何らかの意図を持って選択された解析結果のみが公表されると、 適正な科学的推定とは言えなくなってしまうのです。
【佐藤正さんへの反論】 私はFacebookには参加していませんので、こちらに反論を書いておきます。
今回の私の論考はSCRIデザインによる統計解析の話です。佐藤さんが反論のために提示した論文は2編ともSCCS法による統計解析による論文です。SCRIデザインによる統計解析の話をしている時に、別の統計手法の論文を提示して反論することは、あまり論理的とは言えません。
SCRIデザインによる心筋梗塞などでリスク期間を接種後0-7日に設定して解析した論文は発表されていないはずです。
SCRIデザインはSCCS法に似ている部分もありますが大きく異なる部分があります。SCRIデザインは接種者のみを対象としているのに対して、SCCS法では接種者と未接種者を対象としています。私が再三主張している「偶発性の検証」という点ではSCRIデザインの方が優れています。同じデータを用いても、統計手法を変更して解析すると、結論が逆になってしまうことは有り得ます。
データ収集後に評価方法を変更することは本来望ましくありませんが、接種後どの期間に発生が多くなるかはデータ収集した後に判明することなので、SCRIデザインの場合、データ収集後にリスク期間を変更追加して解析することは仕方のないことと考えます。むしろ、最初に決めた不適切なリスク期間のまま解析してしまうことの方が問題です。